68年の現代史における意味を歴史学者の山内昌之・明治大特任教授に聞いた。【聞き手・高木香奈】 68年は、約20年後の冷戦終結やソ連解体を経て世界が大変動することを予想させる節目となった年だ。第二次大戦終結からも約20年で、20年ほどのサイクルで歴史が変わるような出来事が起きている。 私は当時大学生で、68年は自分が現代史として体験した時代だ。日本はまだ、国際的には十分に存在感を発揮していなかったが、平和と高度成長により独自の歩みを始めていた。 当時はベトナム戦争の真っ最中。ケネディ政権を継いだジョンソン政権も解決しきれず、北爆停止を宣言した。米国の価値観が揺らぎ、数年を経て戦争が終結した転換期となった。