これまでも何度か取り扱ってきましたが、ベンダが契約前に作業着手をしたことによるトラブルというものが、未だに後を絶ちません。ユーザから示された期限を守るためには、一刻も早い着手が必要と、ベンダが契約を待たずに作業を始めたが、何らかの事情で契約を結ぶことができずに、それまでにかかった費用を請求するが、ユーザ側は契約自体ないのだから債務はないと支払わない。こんな事例については、私自身も裁判所で何度となく見聞きしてきました。原則として契約前作業はするべきではないし、させるべきでもないのですが、それでも、ベンダにはやってもらわないといけないとなったとき、ユーザサイドはどんなことに気をつけるべきなのでしょうか。どんな条件付きで作業を依頼すれば良いのでしょうか。今回は、その辺りについて考えてみたいと思います。 (東京地方裁判所 平成19年11月30日判決より) ある人材派遣会社が開発ベンダに基幹業務シス