今週は、本を取り上げます。 なにせ、政界はもうすっかり消化試合の様相。次期首相には、あの安倍晋三官房長官が圧倒的スコアで勝ち上がりそうな気配です。 その安倍氏の本『美しい国へ』(文春新書)が、バカ売れしているとのこと。7月末現在で、30万部に達する勢いだとか。 そこで「今週は、気が進まないでしょうが、この安倍本を取り上げてくれませんか。本当に読むに値する本かどうか ?」と、編集部からの依頼。 仰せの通り、まったく気が進まない。でも、読んでみないことには批判も出来ない道理。で、読んでみた。 「金返せ」 出だしからしてすごい。自分のことを「闘う政治家」と位置づけているようだが、それについてこう述べる。 「わたしが拉致問題について声をあげたとき、『右翼反動』というレッテルが貼られるのを恐れてか、運動に参加したのは、ほんの僅かな議員たちだけであった。事実、その後、わたしたちはマスコミの中傷の渦のな