朝日新聞に掲載された保岡興治法務大臣のインタビューで、社民党をはじめとした野党各党から、裁判員制度の「延期」を求める動きがあったことに関して、次のように発言しているのが目についた。「延期など、全く考えていない。司法制度改革の関連法案は20数本ほぼ全会一致で通っており、民主的な議論を尽くして決まった。懸念を払拭するよう全力を傾けるが、基本的には歯を食いしばって実現していく性質のものだ」(朝日新聞8月13日・政治面)と述べている。また、「国民の8割が消極的」ということに関しても、「怖さや煩わしさが先行するが、『遠慮なく言ってくれれば裁判所の責任でまとめる』と説明すれば、参加したい人は増えるはず」と答えている。 何のために「歯を食いしばって実現」するのだろうか。本来は、市民の司法参加のためだろう。その「市民の司法参加」を言うのであれば、啓蒙イベントや模擬裁判は繰り返しても、肝心の「市民の声」を聞