誰も得しない
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盗撮目的の女子トイレ侵入容疑で逮捕、勾留された司法修習生が釈放されたことが話題になっており、その人が、当初は自白したものの、その後否認に転じたことについても論じられている。 その関係で、私の経験を紹介しておきたい。恥ずかしい話なので、今まで、ほとんど他人には話していなかったことである。 検事になって数年たち、まだまだ若手ながら、自分なりに自信のようなものがついてきた頃だった。ある共犯事件で、逮捕、勾留された共犯者の1人を取り調べていた。その被疑者が、ある場所に行ったかどうかが重要性を帯びており、私は、別の共犯者の供述(一緒に行ったと明言)もあったので、「行った」と見ていたが、その被疑者は、「行っていない」と強く否認していた。 その後、徹底的に追及し、違法なことはしないものの、相当厳しく取り調べ、その被疑者は、「行きました」と自白し、その内容の供述調書も作成した。 ところが、である。 この事
「外交に国民の信頼と理解を取り戻す」(岡田克也外相)とする民主党政権の下で、外務省の有識者委員会が米核搭載艦船の日本寄港などを「密約」と認定した。日本が“国是”とする非核三原則に抵触する中身だが、鳩山政権は従来の三原則を見直さないとしている。岡田外相は9日夜のNHK番組で、冷戦後に米国が核政策を転換したにもかかわらず密約を否定し続けた歴代自民党政権を「政治の怠慢」と批判したが、報告書で三原則の形骸(けいがい)化が明確になったにもかかわらず、見直さないことこそ怠慢といえるだろう。 民主党政権は自民党政権が否定してきた密約を暴くことで、国民に真実を伝え、政権交代の歴史的意義を果たそうとしたといえなくない。もっとも、密約を公にすることによって生じるさまざまな外交・安全保障政策の変質をどこまで真剣に考えていたかは判然としない。
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