自戒も込めて書いておきたいことがある。 昨年、教育基本法改正に関していくつかエントリーを立てた。そのなかで何度か「教育の崩壊というような言葉で表現されるような危機感や不安感は教育基本法改正賛成派、反対派のどちらにも共有されている」というようなことを書いた。 ISBN:4334033814:detail で芹沢一也氏や浜井浩一氏が治安の実態について明らかにし、「犯罪不安社会」への警鐘を鳴らしている。教育も同じような状況がある。 「教育不安社会」のなかで、ほとんど実証するというプロセスを経ないまま量産される教育言説。それを有効利用して自分たちのやりたいことを着々と実現させつつある人たち。冒頭に書いたように、教育への不安が様々な立場を超えて「共有」されているなかで、教育基本法改正の議論によく現れているが、現実と乖離しがちなスローガンを連呼するだけでは、その主張が受け入れられることはない。 森重雄