印刷 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は2日、米長期国債の格付けを最上位の「AAA(トリプルA)」から1段階引き下げて「AA+(ダブルAプラス)」に格下げした、と発表した。大手格付け会社が米国債を格下げするのは初めて。 米政府・議会は8月2日、債務上限を引き上げることを決め、当面の債務不履行(デフォルト)は回避した。しかし同時に決めた今後10年間の債務削減策は2.4兆ドルにとどまった。S&Pは14.6兆ドル(約1140兆円)にのぼる巨額債務を考えると、債務削減の努力が不十分と判断した。 S&Pは1941年に米国債を「AAA」に格付けし、70年間維持してきた。世界で最も流通している債券である米国債の格下げは、米長期金利に影響を与えるだけでなく、米国債を保有する世界各国や金融機関、投資家らに影響を与えかねない。