・ディープエコノミー 生命を育む経済へ 地域や人間に深く根ざした分散型経済「ディープエコノミー」をつくるべきだと説く環境ジャーナリストの本。資本主義一辺倒でもなく、環境絶対主義でもなく、その中間に持続可能な経済と魅力的な生活が両立できるゾーンがあると著者は力説する。人間にとっての生活満足度、幸福感をいかに高めるかという視点でかなり説得力のある議論が展開される。 米国でも日本でもヨーロッパでも戦後にGDPは何倍にも伸びたが、生活満足度は変化がない。経済は豊かになったにもかかわらず、アル中、自殺、鬱病の割合は激しく上昇した。研究によると人間は貧しいうちは一貫して幸福を金で買うことができるが、一定の収入を超えると幸福との相関関係がなくなる。その一定の収入を先進国の住民はほぼ全員が上回った状態にある。そしてさまざまな生活の質指数の調査が示しているのは「(裕福な世界では)人に対する気持ちは、消費、貯