アメリカのミシガン州に住むノーマの最晩年は決して穏やかなものではありませんでした。ノーマが90歳になった2015年、67年間連れ添った夫をガンで亡くし、その2日後に自身もガンとの告知を受けました。すぐさま抗がん治療計画が立てられましたが、高齢のノーマが手術と化学療法に耐えられるかはわかりませんでした。 ガンの告知に少なからずショックを受けたノーマでしたが、すぐにある決断を下します。それは、治療を一切受けないというものでした。 そして残りの人生をチューブや機械に繋がれて過ごすのではなく、何かもっと楽しいことに費やそうと考えたのです。 ノーマが治療のかわりにしたかったのは、「旅」。老人ホームを出てアメリカ横断旅行に出かけたい、とノーマは家族に伝えます。 はじめは戸惑った家族でしたが、ノーマの強い意志に動かされました。 ノーマは息子夫婦、大型プードル犬のリンゴとキャンピングカーに乗ってこれまでの