不正指令電磁的記録に関する罪、いわゆる「ウイルス罪」の構成要件が曖昧なまま警察の摘発例が相次いでいることに、エンジニアを中心に動揺が広がっている。有罪と無罪の境界はどこにあるのか。
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不正指令電磁的記録に関する罪、いわゆる「ウイルス罪」の構成要件が曖昧なまま警察の摘発例が相次いでいることに、エンジニアを中心に動揺が広がっている。有罪と無罪の境界はどこにあるのか。
Webサイト閲覧者が使うパソコンの処理能力を利用して仮想通貨のマイニング(採掘)をする「Coinhive(コインハイブ)」を設置したサイト運営者の男性に横浜地方裁判所が無罪を言い渡した判決について、検察側が2019年4月10日に控訴した。 コインハイブの設置を巡っては、全国の警察が不正指令電磁的記録(コンピュータ・ウイルス)に当たるとして一斉集中取り締まりに乗り出していた。そもそも何がコンピュータ・ウイルスに当たるのかという刑法の法解釈などが、東京高等裁判所で争われる。 ウイルスについて刑法は、人が電子計算機を使用する際に「その意図に沿うべき動作をさせず、またはその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録」としている。プログラムに対する社会一般の信頼を守ることを保護法益として、ウイルスとして実行させる目的があったかといった要件を設けている。 警察庁はコインハイブの設置を巡っ
ビッグデータは価値と富を生み出す打ち出の小づちだ。これを持つ企業は、持っていない企業からは反則に見えるほど圧倒的な力を持つに至った。ただし、ビッグデータから生み出される価値を、多くの企業や個人が活用し、そのメリットを享受しているのも確かだ。GAFAなど巨大IT企業が打ち出の小づちを振り続けるのを、私たちは半分苦々しく、もう半分はありがたく見ているところがある。 巨大IT企業が活用しているビッグデータは、個人情報や行動履歴の集合体だ。病院で初診時に書く問診票や商品購入時に問われるアンケートなどに書いた内容に、所有権を主張する人はまずいない。しかし、それが莫大な価値と富を生み出すと分かったとたんに、ビッグデータの所有権を主張したくなる気持ちも分からないではない。 GAFA流ビジネスに対する規制は、プライバシー保護などの観点から語られることが多い。しかし、その本質には、巨大な富の源泉となったビッ
Windows 10はセキュリティーが強化されたというが、Windows 7時代に使っていたウイルス対策ソフトは不要になるのか。専門家に聞いた。(聞き手は清嶋 直樹=日経 xTECH) Windows 10は標準で「Windows Defender ウイルス対策」を搭載する。それでもトレンドマイクロや米シマンテックといった他社製のウイルス対策ソフトを使う企業は多い。日本マイクロソフトは「他社製は不要」と言うが、第三者から見てどうか。 端的に言えば、「不要」だと思っていい。Windows 7以前のWindows Defenderは、ウイルス対策ソフトとしての性能が低かった。それを補うため、ほとんどの企業が他社製のウイルス対策ソフトを「当たり前のように」導入していた。 しかしマイクロソフトがWindows 10に標準搭載したWindows Defenderは、かなり機能強化されている。第三者の
政府の知的財産戦略本部 検証・評価・企画委員会は2018年10月30日、コンテンツ分野会合の第1回会議を開催した。同委員会のタスクフォース「インターネット上の海賊版対策に関する検討会議(以下、検討会議)」共同座長の中村伊知哉氏と村井純氏が、9回にわたる会議の検討状況を報告した。
私たちの生活に欠かせなくなったショッピングセンター。天井を見上げると、数多くのカメラが設置されている。顧客の安全を守りつつ、万引き犯といった危険人物を警戒するなど、カメラは人が大勢集まる場所にはなくてはならない機器になった。 そしてついに、衣料品店や雑貨店、飲食店などが立ち並ぶ商業施設内のテナントのほぼ全てをカメラで撮影するという、国内初の大胆な試みまで始まった。2017年11月にパルコが東京・上野に開業した「PARCO_ya(パルコヤ)」だ。 全館に230台のカメラを据えて開業 館内に設置したカメラの総数は約230台。しかし、これらは通常の監視カメラとは異なる。約60店のテナントの客層分析に用いる「顔認証カメラ」が、各店に1台ずつ。それとは別に、テナントごとの来店者数を測る「カウントカメラ」を店舗の入り口の数に応じて1台から数台設置した。2種類のカメラを合計すると、約230台になる。 こ
DM・訪問販売の不信や相次ぐ個人情報の漏洩は、氏名・住所に関わる日本人のプライバシー観を大きく変化させたといっていい。内閣府の個人情報保護に関する世論調査によると、他人に知られたくない情報として「現住所・電話番号」を挙げた人は、1989年の10・9%から、2003年には42・9%に急増している。 こうした状況を踏まえ、個人を特定できる氏名・住所と、それにひも付く属性情報を法的に保護する枠組みとして整備されたのが、新設された個人情報保護法と、住民基本台帳法の改正法である。前者は2003年に成立、2005年に本格施行された。後者は2006年に成立、施行された。 欧米では既に、1970年代からプライバシー保護法の整備が始まっていた。1980年にOECD(経済協力開発機構)理事会が「プライバシー保護と個人データの国際流通についてのガイドライン」を採択したことで、プライバシー保護法の導入が加速した。
浜松市立図書館が導入した新システムのサービス向上の目玉である自動貸し出し機は、約10冊の貸し出し処理が一度に可能である。借りる本をリーダーアンテナのある台の上にまとめて置くだけの簡単さや、何を借りたかを職員に見られずに済むことなどから、非常に好評だと言う(写真2)。 自動貸し出し機には前面下部にもう一つのアンテナを用意してある。これは書籍を袋などに入れたままで貸し出し処理できるようにするためだが、機器の調整がうまくいかず当初はサービスを提供できなかった。 写真2 自動貸し出し機 画面下の台と前面下部にアンテナを設置。台に10冊程度乗せてもまとめて読み取れる。前面は袋やかばんに入れたまま読み取るためのアンテナ。 2006年10月の利用状況を見ると、貸し出し冊数は前年度の1カ月平均を2割ほど上回る約40万冊。そのうち自動貸し出し機によるものが約12万5000冊に上る。自動貸し出し機は10館だけ
2015年からWeb広告に表示される小さなマーク(図1)が目に付くことになりそうだ。 インターネット広告推進協議会(JIAA)は2014年11月12日、ネットユーザー情報の取り扱いやオプトアウト(利用停止)への導線を表示する「インフォメーションアイコン」の実装に向けて、会員企業を対象にした説明会を開いた(写真)。12月中にもアイコンの実装がスタートするという。 これまでも、同様の仕組みを自主的に導入している一部のWebサイトやネット広告会社はあった。だがJIAAはインフォメーションアイコンを起点に、企業に分かりやすいプライバシーポリシーの作成を促そうとしている。2015年予定の個人情報保護法改正を先取りするだけでなく、海外の先進事例も参考に「プライバシー保護」を企業競争のツールにしようとする意欲的な試みだ。 個人情報保護法の改正に対応 ネットで買い物や欲しい商品の検索をしていると、別のサイ
前回、一般消費財メーカーのモバイル戦略が徐々に拡大していると述べた。この背景には、スマートフォンやタブレットPCといったデバイスが広く消費者の間に普及したことがある。 現時点で米国成人の携帯電話所有率は約90%で、スマートフォン所有率は58%程度のようだ。また、米国のスマートフォンユーザーの約70%は、買い物中にスマートフォンを使用していると言われている。そこから様々な活用方法が生まれていることは、今さら説明するまでも無いだろう。 米国調査会社のAltimeterが2014年8月に発表した「Digital Transformation(デジタルへの変革)」というレポートでは、デジタルへの変革は「テクノロジー」と、それによって進化する「消費者の行動」がカギを握っているとしている。では、特にモバイルという領域で一般消費者の意識はどのようになっているだろうか。7月に米PunchTab社が発表した
先週は、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の会員規約改定の記事が多くの人に読まれた。規約改定は、提携企業との情報共有の法的な位置付けをこれまでの「共同利用」から「第三者提供」へと変更し、データ利用の透明性を高めるのが狙いだという(関連記事:「共同利用」から「第三者提供」に、CCCがT会員規約を大幅改訂へ)。 CCCのこの動きは、2015年に予定されている個人情報保護法改正を見据えたものだろう。改正では、プライバシー保護のための第三者機関を設立したり、データ活用を促すために「個人特定性低減データ」を定義したりするなど、大幅に変わる。今後は、CCC以外の企業でも改正をにらんだ会員サービス規約などの変更が相次ぐとみられる。 利用者として注意しておきたいのは、個人情報として何が収集されており、どう利用されるかを把握することだ。単なる氏名や住所、電話番号といった分かりやすいデータだけでなく
写真1●「同調圧力」により、SNSやメールの友達とパスワードを共有する子供が少なくない(写真はイメージ) 中学生や高校生たちと話をしていて、ブログやSNS、メールなどで使うパスワードの使い方について、何回か気になるコメントを耳にした。パスワードは、自分だけが利用できる領域を保護するためのもので、本来他人に教えるものではない。ところが最近は、友達や恋人とパスワードを共有する子どもが少なくないのだ(写真1)。 なぜそのようなことをするのだろうか。その背景には、彼ら彼女らの世界独特の「同調圧力」が働いている。 パスワード共有=友情・信頼・愛情の証? パスワード共有が事実とは思えない人がいるかもしれないので、少し前だが、海外の調査結果を紹介しよう。 米調査機関Pew Research Centerの「Teens, kindness and cruelty on social network sit
ヤフーは2014年6月2日付けでプライバシーポリシーを改訂する(Yahoo! JAPANからのお知らせ)。カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)がTカードで収集した商品購入履歴と、ヤフーが収集したWeb閲覧履歴を互いに共有できるようにする。2012年6月に始まったヤフーとCCCの連携が、ポイント共通化の段階を超え、ユーザーの属性情報や履歴情報の共有にまで歩を進めることになる。 ヤフーは、新たなプライバシーポリシーの文章を6月2日に公開する予定で、同日に有効になる。情報連携を望まないユーザーにはオプトアウト(情報提供の停止)の仕組みを用意する。オプトアウトの告知日や告知方法は「現在調整中」(ヤフー広報)。オプトアウト告知を含め、プライバシー侵害を懸念するユーザーを納得させる枠組みを作れるかが情報連携の成否を左右しそうだ。 相互提供の対象になるのは、ヤフーのユーザーID「Yahoo!JA
個人に割り当てた番号を用いて行政機関等にある個人情報を同一人の情報として確認できるようにするマイナンバー制度は、国民の利便性を高め、負担を軽減し、権利利益を確実に守り、公平・公正な社会を実現するための基盤となります。 一方で、国民一人ひとりに番号が付与されることで、国家による個人情報の一元管理、個人情報の名寄せ・突合による意図しない個人像の構築や差別、個人情報の不正利用・改ざんによる財産などの侵害といった懸念が国民の間に生じると指摘されてきました。 こうした懸念に対し、システム面と制度面で高度な保護措置を講じることで、個人情報を保護しながら使い、使いながらも保護できるという、活用と保護のバランスの取れた制度が出来たと考えています。 委員会の体制と役割は。 設置から1年間は委員長と委員2名の構成です。任期は5年です。2014年秋と15年秋の国会同意人事でそれぞれ2名が提案され、16年1月に委
電通国際情報サービス(ISID)のオープンイノベーション研究所と、放送大学の川原研究室は共同で、商業施設内での移動履歴から知人関係を類推するアルゴリズム「知人類推アルゴリズム」を開発し、実証実験で有効性を確かめた。 ISIDなどが実証実験をしたのは、大阪の商業施設「グランフロント大阪」である。グランフロント大阪には、チェックイン機能を搭載したデジタルサイネージや、無線LANを用いたスマートフォン向けの屋内測位システムが設置してある。これらを利用して、事前に承諾を得た15人の観光客の行動履歴から知人類推アルゴリズムの有効性を検証した。 まず、デジタルサイネージでほぼ同時刻にチェックインした複数人を見つける。その後、その被験者の行動履歴を基に、知人類推アルゴリズムで知人かどうかを判定する。実験の結果、チェックイン後60分間の行動履歴があれば、100%の確率で知人かどうかを判定できることが分かっ
端麗な街並みを持つ上質な住宅街として知られる東京・代官山の旧山手通り沿い。そこに書店、ビデオレンタル、カフェ、バーなどを複合する約1500坪の新施設「代官山 蔦屋書店」が誕生した。
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