国内29の銀行で投資信託を買った個人客の半分近くが、運用損失を出していることが金融庁の調べでわかった。運用成績は銀行ごとに大きな差異がみられたといい、各行の販売・運用姿勢や商品の品ぞろえが、顧客の資産形成に影響を及ぼした可能性がある。 金融庁が主要行9行と地方銀行20行の窓口で投信を買った客全員の今年3月末と購入時の投信の評価額を比べた。顧客が払う手数料も引き、実質的な「手取り」を試算すると、46%の人の運用損益がマイナスで、損をしていたという。購入した時期にもよるが、株価が上昇基調で比較的「損をしにくい」環境のなかで、比較的多くの人が損をしていたことになる。 同庁によると、平均で10%以上の運用益を出している銀行が6行ある一方、平均の運用損益がマイナスだった銀行も1行あった。