九州の飲食関連会社が台湾出店を加速させている。インバウンド(訪日旅行)で日本の食を知る台湾人が増え、「旅先で味わう」から「日常でも楽しむ」へニーズがシフトしていることや周辺国・地域と比べ政治的なリスクが低いことがメリットという。台北を訪れて現状を探った。【吉川雄策】 「いらっしゃいませ」――。日本語のあいさつが飛び、平日昼には店前に40人ほどの列ができた。豚骨ラーメン専門店を展開する一蘭(いちらん)(福岡市博多区)が、香港、米国に続き台北市内に開いた店(60席)は2017年6月の開店から2年以上を経ても人気が止まらない。 24時間営業の同店はオープン直後、行列が13日間絶えず、地元のニュース番組も相次いで報道。あまりの人気で1年後、約300メートル先に別館(52席)を設けたが、今も週末は最大で2時間待ちだ。