水素燃料電池で動く鉄道車両のローカル線への導入に向け、官民が動き出す。地方で今も走るディーゼル車を水素列車に転換する。現行法令は列車での水素利用を想定しておらず、国土交通省が安全ルールをつくる。JR東日本が2030年度の運行をめざしており、鉄道分野の脱炭素を後押しする。水素列車は屋根に設置した水素タンクから供給する水素と、空気中の酸素を化学反応させて発電する水素燃料電池を主要な動力源とする。二
ホンダが新型の燃料電池車(FCV)を年内にも日本と北米で発売する。主力の多目的スポーツ車(SUV)「CR-V」をベースに、米ゼネラル・モーターズ(GM)と共同開発した燃料電池システムを搭載する。リチウムイオン電池と外部から充電するプラグイン機能も備え、電気自動車(EV)としても走れる。 新型車の名称は「CR-V e:FCEV」。EVとして走行できる距離は60キロメートル程度だ。仮に水素が切れていても都市部における買い物や送迎なら問題なくこなせるだろう。価格は未定で目標とする販売台数も公表していないが、「個人のお客様の手が届く範囲での価格を検討している」(国内商品企画担当の宮原潤一氏)という。 ただしFCVを取り巻く環境は厳しい。普及の壁となっているのが水素ステーションの不足だ。FCVはタンクに充填した水素を化学反応させて発電し、駆動用のモーターを回す。この燃料となる水素を入れられる施設は国
2023年12月18日、JR東海は鉄道車両向け燃料電池の模擬走行試験を報道公開した。燃料電池は水素を燃料とし、大気中の酸素と化学反応して発電する仕組みだ。簡単にいうと中学で習った「水の電気分解」の逆向きの反応で電気と水をつくる。ガソリンや軽油を燃やすと排気ガスが発生するけれども、燃料電池は水が出るだけ。二酸化炭素も有毒物質も出ないから、環境に優しく、脱炭素動力の切り札ともいわれている。 JR東海の「統合報告書2022」に「車両走行試験装置を用いた模擬走行試験を準備」とあり、「統合報告書2023」で、「23年11月から車両走行試験装置を用いた模擬走行試験を開始」と報告していた。11月16日には「燃料電池とあわせて水素エンジンも開発する」と発表していた。 報道公開された設備は、トヨタが21年から外販している燃料電池ユニットと、冷却用ラジエーター、水素タンク、減圧装置、発生した電力で動かす模擬台
水素社会の実現のための大切な要素が 「造る」「運ぶ」「使う」の3つです。 今回は手のひらサイズの「水素を運ぶ」画期的な技術を紹介します。 手のひらサイズの小さな石のようなもの。これは、水素燃料のもとになる水素とマグネシウムで作った「水素化マグネシウム」です。実は、車の動力源になるんです! 【動画】持ち運べる水素で自動車のミライが変わる!?マグネシウムに水素を閉じ込める技術 クルマとミライ その水素化マグネシウムを水に入れると、ぶくぶくと泡が発生。この化学反応をボンネットの中で起こせば、車の中で水素を生み出せるのです。 とはいえ、それなら気体の水素をボンベに詰めて走れば良いのでは? と思いますよね。 「ボンベの代わりがマグネシウムになります。軽くて、たくさんの水素を貯蔵できます」(バイオコーク技研 上杉堅一さん)
カワサキモータース、スズキ、ホンダ、ヤマハ発動機は小型モビリティ向けの水素エンジンの基礎研究を行う「水素小型モビリティ・エンジン技術研究組合」を設立する。 カワサキモータース、スズキ、ホンダ、ヤマハ発動機は2023年5月17日、東京都内で会見を開き、二輪車など小型モビリティ向けの水素エンジンの基礎研究を行う「水素小型モビリティ・エンジン技術研究組合(HySE:Hydrogen Small mobility & Engine technology)」を設立すると発表した。二輪車メーカー4社で協力するため、経済産業省から技術研究組合を設立する認可を受けた。 写真左から理事候補のホンダの古谷昌志氏、スズキの田中強氏、カワサキモータースの松田義基氏、理事長候補のヤマハ発動機の小松賢二氏。ヤマハ発動機 社長の日高祥博氏、カワサキモータース 社長の伊藤浩氏、スズキ 社長の鈴木俊宏氏、ホンダ 二輪パワー
今回のハノーバーメッセで、大きなテーマの1つとなったのが水素利用だ。会場のハノーバー国際見本市場に最寄りのドイツ鉄道の駅から一番近く、人の流れが多いホール13を中心に関連企業約500社がソリューションを展示した。2023年4月には、ドイツで稼働していた最後の原発が運転を停止しており、代替エネルギーの選択肢として関心は高まっている。 1948年創業の高石工業は国内3カ所とベトナムに工場を設け、主に温水洗浄便座など住宅設備向けにパッキンやOリングなどを生産している。九州大学 水素材料先端科学研究センター 教授の西村伸氏から依頼を受けて2008年から水素曝ろ用試験片の製作に着手し、2013年に-40℃の水素環境で使えるOリングを完成させた。同年の「中小企業総合展 東京」に出展した際に受賞したベストプラクティス賞の副賞として、2014年にハノーバーメッセに初めて出展した。以降、コロナ禍による中断期
マツダが、水素ロータリーエンジンをレンジエクステンダー(航続距離延長装置)として搭載する電気自動車(EV)を開発中だ。ロータリーエンジン搭載車「RX-8」の生産は終了するが、新たな用途に向けてロータリーエンジンの開発は継続される。 マツダは、水素ロータリーエンジンをレンジエクステンダー(航続距離延長装置)として搭載する電気自動車(EV)を開発していることを明らかにした。2013年に官公庁や企業向けにリース販売する予定である。 同社は、ロータリーエンジンを搭載するスポーツカー「RX-8」の生産を2012年6月で終了する。これによりロータリーエンジン搭載車が同社のラインアップから消えるため、ロータリーエンジンの開発も終息の方向に向かうと見られていた。しかし、EVのレンジエクステンダーとして活用するために、ロータリーエンジンの新規開発を水面下で進めていたようだ。 マツダは1990年代から、二酸化
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