タグ

ブックマーク / www.tachibana-akira.com (36)

  • 死刑制度は存続するが執行しないという選択 週刊プレイボーイ連載(348) – 橘玲 公式BLOG

    麻原彰晃らオウム真理教事件の確定囚7人が死刑執行されたのにつづいて、残る6人の確定囚の死刑も7月26日に執行されました。1カ月のあいだに2度、13人もの死刑執行は日だけでなく世界に波紋を広げています。 前提として、民主国家において量刑は有権者の総意によって決められるもので、国民の8割が死刑制度を容認している日で、人権団体や欧州諸国からの批判を根拠にいますぐ死刑を廃止するのは現実的ではないことを確認しておきましょう。政治家が国会で死刑制度を議論できるようになるためには、現在1割以下しかいない廃止派がせめて4割に近づかなくてはなりません。 しかしそれにもかかわらず、今回の大量死刑執行に納得しがたいものを感じたひとも多いのではないでしょうか。 死刑を支持する背景には、「重罪は死をもって償うべき」という道徳観があるとされています。犯罪被害者が極刑を望んでいることや、死刑があることで犯罪が抑止さ

    死刑制度は存続するが執行しないという選択 週刊プレイボーイ連載(348) – 橘玲 公式BLOG
    takeori
    takeori 2018/08/13
  • 女児虐待死事件でメディアがぜったいいわないこと 週刊プレイボーイ連載(343) – 橘玲 公式BLOG

    目黒区で5歳の女児が虐待死した事件では、「きょうよりか もっともっと あしたはできるようにするから もうおねがい ゆるして」などと書かれたノートが発見され、日じゅうが大きな衝撃に包まれました。このような残酷な事件が起きないようにするために、いったいなにができるでしょうか。 この事件について大量の報道があふれていますが、じつは意図的に触れていないことが2つあります。 女児を虐待したのは義父で、母親とのあいだには1歳の実子がいました。じつはこれは、虐待が起こりやすいハイリスクな家族構成です。 父親は自分の子どもをかわいがり、血のつながらない連れ子を疎ましく思います。母親は自分の子どもを守ろうとしますが、それ以上に新しい夫に見捨てられることを恐れ、夫に同調して子どもを責めるようになるのです。なぜなら進化論的には、ヒトは自分の遺伝子をもっとも効率的に残すよう“プログラム”されているから……。 こ

    女児虐待死事件でメディアがぜったいいわないこと 週刊プレイボーイ連載(343) – 橘玲 公式BLOG
    takeori
    takeori 2018/07/09
  • 「働き方国会」が紛糾する”恥ずかしい”理由 週刊プレイボーイ連載(327) – 橘玲 公式BLOG

    厚労省の裁量労働制調査で不適切なデータが見つかって、「働き方国会」が紛糾しています。とはいえ、いったい何が問題になっているのかよくわからないひともいるでしょう。じつはこれは、かなりややこしい話なのです。 ひとつは、裁量労働制の適用範囲を拡張したい政府に対して、それを批判する側が単純に「反対!」とはいえないことです。なぜなら、安倍政権と対決する“リベラル”なテレビ局や新聞社の社員の多くは裁量労働制で働いているのですから。 「なぜあなたと同じ働き方をほかにひとたちもしてはいけないのですか?」と問われて、「自分たちは特権階級でお前らとはちがう」とこたえるわけにはいきません。これが、メディアが「裁量労働制とは何か」という質的な議論を避け、重箱の隅をつつくような話を繰り返す理由でしょう。 ふたつ目は、なぜ労働時間にばかりこだわるのかということです。国会では、過労死を招く長時間労働こそが元凶で、労働

    「働き方国会」が紛糾する”恥ずかしい”理由 週刊プレイボーイ連載(327) – 橘玲 公式BLOG
    takeori
    takeori 2018/03/15
  • 大麻バッシングは日本の「精神の貧困」の象徴 週刊プレイボーイ連載(266) – 橘玲 公式BLOG

    参議院選挙にも出馬した元女優が大麻取締法違反で逮捕されたことが、ワイドショーなどで連日大きく報じられました。大麻合法化を公約に掲げて選挙に立候補した以上、確信犯なのでしょうが、残念なのは、離島での暮らしや奇矯な言動が大麻(マリファナ)についての主張といっしょくたにされてしまったことです。 元女優が男性4人と暮らすのは自由ですが、「ふつう」ではないかもしれません。しかし大麻の所持や使用は、いまや先進国では違法とするほうが少数派になっています。 オランダでは早くも1970年代に大麻が解禁されましたが、イギリス、ドイツ、フランスなどヨーロッパの主要国でも、法律上は違法とされていても個人による栽培・使用は放任されているのが実情です。アメリカでは州ごとに規制が異なりますが、医療用大麻は多くの州で合法化され、コロラド、ワシントン、オレゴン州では個人使用の嗜好用マリファナも合法化されています。またカナダ

    大麻バッシングは日本の「精神の貧困」の象徴 週刊プレイボーイ連載(266) – 橘玲 公式BLOG
    takeori
    takeori 2016/11/22
  • プレゼンテーションで他人を支配するのはかんたん? 週刊プレイボーイ連載(236) – 橘玲 公式BLOG

    民法の報道情報番組のメインキャスターに抜擢された“国際派経営コンサルタント”が学歴・経歴を詐称していた問題が波紋を広げています。所属事務所の社長が20年ほど前に、その特徴的な低音ボイスにほれ込んでDJとして契約したのがメディア業界で活動するきっかけとのことですから、声は天性のもので間違いないでしょうが、それ以外は生まれから容姿まで疑惑のオンパレードです。 この出来事を理解する興味深い心理実験があります。 アメリカの大学で、学生が短期間に教師の質を判断できるかを調べたところ、初日の授業の評価は学期末の平均的な評価とほぼ一致していました。学生は1回の授業だけで教師の優秀さを正確に見抜くことができる――というのが、この結果のもっともわかりやすい説明でしょう。 次に研究者は、授業体験をどこまで短くすると学生が判断できなくなるかを調べてみました。 人文科学、社会科学、自然科学の授業を録画し、それを各

    プレゼンテーションで他人を支配するのはかんたん? 週刊プレイボーイ連載(236) – 橘玲 公式BLOG
    takeori
    takeori 2016/04/15
  • 『言ってはいけない 残酷すぎる真実』まえがき – 橘玲 公式BLOG

    新刊『言ってはいけない 残酷すぎる真実』の「まえがき」を、出版社の許可を得てアップします。 *********************************************************************** 最初に断っておくが、これは不愉快なだ。だから、気分よく一日を終わりたいひとは読むのをやめた方がいい。 だったらなぜこんなを書いたのか。それは、世の中に必要だから。 テレビや新聞、雑誌には耳触りのいい言葉が溢れている。メディアに登場する政治家や学者、評論家は「いい話」と「わかりすい話」しかしない。でも世の中に気分のいいことしかないのなら、なぜこんなに怒っているひとがたくさんいるのだろうか。――インターネットニュースのコメント欄には、「正義」の名を借りた呪詛の言葉ばかりが並んでいる。 世界は来、残酷で不愉快なものだ。その理由を、いまではたった一行で説明でき

    『言ってはいけない 残酷すぎる真実』まえがき – 橘玲 公式BLOG
    takeori
    takeori 2016/04/15
  • 「非正規」への身分差別は世界の恥 週刊プレイボーイ連載(229) – 橘玲 公式BLOG

    安倍首相が施政方針演説で「同一労働同一賃金の実現に踏み込む」と発言しました。同じ仕事をしているひとに同じ賃金を支払うのは当たり前に思えますが、驚くべきことに日ではこれまで非常識とされてきました。労働者を「正規」と「非正規」の身分に分けて、正社員のみを会社共同体の正式なメンバーにしているからです。 人種によって異なる扱いをすることが人種差別(レイシズム)で、男女の性別で待遇を変えれば性差別です。それと同様に、正規と非正規(あるいは親会社からの出向とプロパーの社員)で異なる給与体系を押しつけることは身分差別以外のなにものでもありません。 さらに問題なのは、終身雇用・年功序列の日的労働慣行が新卒一括採用や定年制という年齢差別を前提としていることです。これは日国内だけで通用するガラパゴス化した制度なので、日人(社採用)と外国人(現地採用)で国籍差別までしています。これほどまで重層化した差

    「非正規」への身分差別は世界の恥 週刊プレイボーイ連載(229) – 橘玲 公式BLOG
    takeori
    takeori 2016/02/15
  • アベノミクスがコケても大丈夫! 臆病者のための「資産防衛術」2016〈週刊文春〉 – 橘玲 公式BLOG

    年初から急速に円高が進み、株価も急落しました。また安倍総理は、施政方針演説で「同一労働同一賃金」の法制化を目指すと宣言しています。こうした社会・経済の流れは、昨年末に『週刊文春』(2015年12月24日発売号)に寄稿した「アベノミクスがコケても大丈夫! 臆病者のための「資産防衛術」2016」に書いたので、『週刊文春』編集部の許可を得て全文を掲載します(見出しは適宜つけました。図表は入稿時に参考として添付したものです)。 *********************************************************************** 私の手元に「日の再生に向けた検討課題について」と題された資料がある。民主党時代の平成24(2012)年1月、経済産業省が省内の勉強会として日経済の将来を予測したものだ。 2008年からの3年間で名目GDPが40兆円強も減少し、日

    アベノミクスがコケても大丈夫! 臆病者のための「資産防衛術」2016〈週刊文春〉 – 橘玲 公式BLOG
    takeori
    takeori 2016/02/13
  • 沖縄をタックスヘイヴンに – 橘玲 公式BLOG

    明日、沖縄県知事選が告示される(28日投開票)。今回は民主党が候補者の擁立を断念したので、米軍普天間基地の県外移設を求める現職と、国外移設を求める前宜野湾市長の争いになるのだという。 しかしこの議論は、(いつものように)むなしさと徒労感に覆われている。米軍基地の県外移設や国外移設がほとんど不可能なことは、政治家はもちろん、基地に反対する沖縄県民にもよくわかっているはずだからだ。 1972年の返還以降、米軍基地受け入れの代償として、沖縄には巨額の援助(公共投資)が投じられてきた。しかししそれでも、沖縄は現在でも日でもっとも貧しいままだ(平均所得は東京の半分で、失業率は全国一)。援助は一部の既得権層を潤すだけで、地域の経済発展にはなんに役にも立たなかった。 それでは、沖縄はこれからもずっと貧しいまま、基地の重圧に苦しまなければならないのだろうか。ここでは、沖縄県民の平均所得を劇的に増大させ、

    沖縄をタックスヘイヴンに – 橘玲 公式BLOG
    takeori
    takeori 2016/02/07
  • 『「読まなくてもいい本」の読書案内』はじめに – 橘玲 公式BLOG

    近刊『「読まなくてもいい」の読書案内』の「はじめに」を、出版社の許可を得て掲載します。 ********************************************************************** なぜこんなヘンなことを思いついたのか? このは、高校生や大学生、若いビジネスパーソンのための「読まなくてもいい」の読書案内だ。 なぜこんなヘンなことを思いついたかというと、「何を読めばいいんですか?」ってしょっちゅう訊かれるからだ。でも話を聞いてみると、こういう質問をする真面目な若者はすでに「読むべき」の膨大なリストを持っていて、そのリストにさらに追加するを探している。その結果、「読まなくちゃいけないがこんなにたくさんある!」→「まだぜんぜん読んでない!」→「自分はなんてダメなだ!」というネガティブ・スパイラルにはまりこんでしまう。 こんなことになるい

    『「読まなくてもいい本」の読書案内』はじめに – 橘玲 公式BLOG
  • 日本がなぜ戦争したかは、新国立競技場問題が教えてくれる 週刊プレイボーイ連載(206) – 橘玲 公式BLOG

    1923(大正12)年12月27日、国会議事堂に向かう皇太子(後の昭和天皇)の車が狙撃されました。犯人の難波大助は、父親が衆議院議員という山口県の名家に生まれた24歳の若者で、ステッキに仕込んだ散弾銃の銃弾は車の窓を破ったものの、同乗していた侍従長が軽症を負っただけで皇太子には怪我はありませんでした。 欧米のジャーナリストを驚かせたのは、事件よりもその後の出来事でした。 内閣総理大臣の山権兵衛はただちに辞表を提出し、内閣は総辞職しました。当日の警護の責任をとって警視総監と警視庁警務部長が懲戒免官となったばかりか、道筋の警護にあたっていた(事件を防ぐことはとうていできなかった)一般の警察官までもが責任をとらされて解雇されます。 難波の出身地の山口県の知事と、上京の途中に立ち寄ったとされる京都府の知事は譴責処分となり、郷里の村は正月行事を取り止めて「喪」に服しました。難波が卒業した小学校の校

    日本がなぜ戦争したかは、新国立競技場問題が教えてくれる 週刊プレイボーイ連載(206) – 橘玲 公式BLOG
    takeori
    takeori 2015/08/10
  • 安保法制問題に「どうでもいい」感が漂う理由 週刊プレイボーイ連載(205) – 橘玲 公式BLOG

    安倍政権が安保関連法案を衆院で強行採決し、野党が強く反発しています。衆院憲法審査会で自民党が推薦した憲法学者が「安保法制は憲法違反」と明言する“敵失”から法案の審議は迷走を始め、野党がそれを利用して違憲論争に持ち込み、安倍政権を窮地に追い込みました。 もっとも、与党が提出した法案を違憲だというのなら、どれほど“熟議”を重ねても合意に至るわけはありません。これは数で圧倒する与党を強行採決に追い込んで批判する“弱者の戦略”で、それが悪いとはいえませんが、野党にだって最初から議論するつもりなどなかったのです。 「戦争」だとか「徴兵制」だとか、いたずらに国民の不安を煽る言動も、政権奪還の気概を持つ(はずの)政党としては大人気ないかぎりです。こんなことでは、自民党と(永久護憲野党の)共産党の2つがあればいい、ということになってしまいそうです。 残念なのは、安保法制が違憲だとして、だったらどうするのか

    安保法制問題に「どうでもいい」感が漂う理由 週刊プレイボーイ連載(205) – 橘玲 公式BLOG
    takeori
    takeori 2015/08/09
  • 「同一労働同一賃金」が都合が悪いほんとうの理由 週刊プレイボーイ連載(201) – 橘玲 公式BLOG

    「相手の身になって考えてみよう」というのは、小学生でも知っている道徳の基です。これをちょっと難しくいうと、「自分の主張が正しいのは、自分が相手の立場になっても、その主張が正しいと納得できる場合だけだ」ということになります。 人種差別をするひとは、自分が外国に行ったときに、「お前は黄色人種だからあっちの汚いトイレを使え」といわれて、「わかりました! ひとを人種で差別するなんて、なんて素晴らしい社会なんでしょう」と素直に納得できなければなりません。こんな奇特なひとはめったにいないでしょうから、人種差別が正義に反することが普遍的なルールとして要請されるのです。 「同一労働・同一賃金」は日では労働制度の問題とされ、派遣法改正といっしょくたに議論されていますが、その質は「正義」にあります。 正社員と同じ仕事をしている派遣社員の給料が半分、というのはよく聞く話です。これを当然と思っているひとは、

    「同一労働同一賃金」が都合が悪いほんとうの理由 週刊プレイボーイ連載(201) – 橘玲 公式BLOG
    takeori
    takeori 2015/07/07
  • 「派遣」をめぐる議論はなぜいつも下らないのか 週刊プレイボーイ連載(172) | 橘玲 公式サイト

    労働者派遣法の改正案が国会で審議入りしたことで、派遣労働のあり方をめぐる議論が再燃しています。法案を提出した安倍政権は「身分の不安定な派遣社員の待遇改善や正社員化につながる」と力説しますが、野党は逆に「派遣を増やすだけだ」と反発しています。 とはいえ、この法案が世論を二分する論争になっているわけではありません。当の派遣社員も、「どうでもいい」「関心がない」と突き放しています。 この徒労感はどこから来るのでしょうか。それは政治家やメディアが、問題の質から目を背けているからです。 「派遣」という働き方が悪いわけではありません。それが政治問題になるのは、日の社会では派遣が「非正規」とされ、同じ仕事をしていても「正規」の社員と待遇が異なるからです。 ILO(国際労働機関)は同一労働同一賃金を基的人権としており、「正規」「非正規」の区別は現代の身分制と見なされます。「日は前近代的な差別社会だ

    「派遣」をめぐる議論はなぜいつも下らないのか 週刊プレイボーイ連載(172) | 橘玲 公式サイト
    takeori
    takeori 2014/11/25
  • 女性管理職の割合が上昇しない不都合な理由 週刊プレイボーイ連載(164) – 橘玲 公式BLOG

    安倍政権は2030年までに、管理職など指導的な地位に就く女性の割合を30%にするという目標を掲げています。ところが厚生労働省の調査によれば、企業の課長職以上に占める女性の割合が2013年度は6.6%と、11年度に比べて0.2ポイント下がってしまいました。こんなことでは、「男女平等」など夢のまた夢です。 日企業の管理職はなぜ男性ばかりなのか。かつては、「女性は短大卒が多いからだ」とされていましたが、90年代半ばから短大の4年生大学への鞍替えが相次ぎ、男女教育格差は大幅に縮まりました。それにもかかわらず、女性管理職の比率は一向に増えません。 さらに驚くべきことに、日の会社では、大卒女子よりも高卒男子の方が管理職になる比率がはるかに高いという現実があります。日企業では高卒でも40代のうちに6割以上が課長職以上になり、その比率は大卒の男性とほとんど変わりません。それに対して大卒の女性が管理

    女性管理職の割合が上昇しない不都合な理由 週刊プレイボーイ連載(164) – 橘玲 公式BLOG
    takeori
    takeori 2014/10/04
  • Blog開設5年目を迎えました – 橘玲 公式BLOG

    おかげさまで、今日でBlogを始めて5年目を迎えました。最近は雑誌コラムのアーカイブがほとんどになってしまいましたが、この1年間でたくさんにひとに読んでもらえた記事のBEST10です。 国民年金基金についての私的提言 “芸術”という腐った楽園 日の自殺率は、長期的には高くなっていない プレゼンでは大事なことは決められない テレビはバカに娯楽を提供するメディア 意外に身近なミリオネア 今年のことはわからなくても、10年後の日はわかっている 伽藍の世界 労働組合は身分差別社会が大好き そもそもメニューを信じる方がおかしい 前期の統計を取り忘れていたことに気がつきました。参考までに掲載しておきます。(2012/8/21~2013/8/20) 尖閣問題で、海外メディアは日に対して予想以上に厳しい 週刊朝日は謝罪すべきではなかったし、連載を続けるべきだった アメリカはなぜ銃社会なのか? 『週刊

    Blog開設5年目を迎えました – 橘玲 公式BLOG
    takeori
    takeori 2014/08/25
  • ソロスから学んだこと(『月刊文藝春秋』6月号「自著を語る」) – 橘玲 公式BLOG

    『月刊文藝春秋』6月号「自著を語る」で『臆病者のための億万長者入門』について書きました。編集部の許可を得て、「ソロスから学んだこと」を転載します。 *********************************************************************** 「ヘッジファンドの帝王」ジョージ・ソロスは1930年にブダペストのユダヤ人家庭に生まれた。 第一次世界大戦で敗戦国となり領土の大半を失ったハンガリーでは民族主義が高揚し、ナチス・ドイツに与して領土回復を目指していた。第二次世界大戦が勃発したのはソロスが9歳の時で、ブダペストのユダヤ人も次々と収容所に送られていった。 そんな彼らを救うために尽力したのがソロスの父親だった。第一次世界大戦後、シベリアの収容所から脱走し、ロシア革命のなか8000キロを逃げ延びて帰還した父親は幼いソロスのヒーローだった。弁護士と

    takeori
    takeori 2014/08/23
  • “芸術”という腐った楽園 週刊プレイボーイ連載(126) – 橘玲 公式BLOG

    スクープは大きくふたつに分けられます。ひとつは、これまで一般に知られていなかった秘密を暴くもの。もうひとつは、誰もが当たり前だと思っていたことに対して、「それはルール違反だ」と指摘するものです。公募美術展「日展」の書道部門で、入選数を有力会派に事前分配していたという朝日新聞のスクープは後者の典型でしょう。 日の美術界は芸術院会員を頂点とするピラミッド組織で、弟子は階級が上がるほど上納金が増え、「日展に入選するには審査員に心づけを渡し、作品を購入しなければならない」というのが常識でした。これは茶道などの家元制度を持ち込んだものでしょうが、「公募」をうたっていながら、有力会派に属していなければ入選できないというのでは、不正審査といわれても仕方ありません。報道を受けて日展は、日画や洋画を含む全部門で最高賞の選考を中止することを決めました。 こうした問題が起きるのは、日展だけでなく日の美術界

    takeori
    takeori 2013/12/09
  • ガラパゴスじゃやっぱりダメだよ 週刊プレイボーイ(116) – 橘玲 公式BLOG

    歴史論争を見ればわかるように、世の中の論争の大半はなにが正しいのか決着をつけることができません。歴史文書が残っていても、事実が正確に記されているかどうかはわかりません。タイムマシンが発明され、過去に遡って事実を検証できるようになったとしても、それをどう解釈するかは(自分たちに都合のいい)イデオロギーで左右されるでしょう。 ところがそのなかで例外的に、白黒の決着がつく論争があります。「市場原理」が正しい者に富を与え、間違った者を市場から追い出すからです。 2007年頃に、日市場で独自の「進化」を遂げた携帯電話の仕様が世界標準からかけ離れているとして、“ガラパゴス化”と揶揄されました。それに対して一部の論者が、「ガラパゴスでいいじゃないか」と反論しました。「日には日のよさがあるのだから世界に合わせる必要はない」「日ブランドはアジアではじゅうぶん戦える」というのです。 その後、2008年

    ガラパゴスじゃやっぱりダメだよ 週刊プレイボーイ(116) – 橘玲 公式BLOG
    takeori
    takeori 2013/10/06
  • “俺”ではなく“俺たち”を自慢する日本人 週刊プレイボーイ連載(102) – 橘玲 公式BLOG

    アメリカの高校生にリーダーシップがあるかどうか質問すると、7割が「自分は平均以上」と答えます。大学教授を対象とした調査では、94%が「自分は同僚より優秀だ」と回答します。平均より優れたひとは半分しかいないはずですから、これは明らかにおかしな現象です。 心理学では、無意識のうちに自分を過大評価することを「平均以上効果」といいます。私たちの住む世界では、ほとんどのひとが平均以上に知能が高く、平均以上に公平で、平均以上に車の運転がうまいのです。 自分に根拠のない自信を持つ傾向は、「ポジティブ・イリュージョン」として知られています。といっても、“幻想(勘違い)”なんだから矯正すべきだ、といいたいわけではありません。 子どもに対して「もっと現実を直視しなさい」と説教する親や教師がいますが、自己評価と他者の評価が一致している、すなわち“勘違いしていない”ひとの典型はうつ病患者です。あらゆる出来事をネガ

    “俺”ではなく“俺たち”を自慢する日本人 週刊プレイボーイ連載(102) – 橘玲 公式BLOG
    takeori
    takeori 2013/06/17