新刊『大震災の後で人生について語るということ』から、「はじめに」の文書を転載します。 * * * * * * * * 歴史には、ある一瞬で世界の風景を変えてしまうような出来事があります。それはたとえば、フランス革命でバスティーユ牢獄を襲った暴徒たちであり、イギリスの植民地政策に抗議してボストン湾に捨てられた紅茶箱であり、第一次世界大戦の引金を引いたサラエボでの一発の銃弾のことです。現代史に目を移せば、ベルリンの壁崩壊や9.11同時多発テロで世界の姿は大きく変わりました。そしておそらく、3.11の東日本大震災とそれにつづく福島第一原子力発電所事
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