京都大学大学院情報学研究科の稲垣耕作准教授が開発中の将棋ソフト「漫遇将棋」がほぼ完成し、5月3~5日に東京で開催される第19回世界コンピュータ将棋選手権に初出場する。長年にわたる人工知能研究の成果を生かし、従来型のソフトより人の脳の働きに近いのが特徴。状況判断力が高く奇策にも強いといい、稲垣准教授は「将来の目標は打倒・羽生善治4冠。改良を加え、ハブキラーの『将棋マングース』として、いつか勝利を収めたい」と意欲を燃やしている。 国内の将棋ソフトの開発が始まったのは昭和40年代末。しだいに性能も向上しし、最近ではハンディ付きの対局でプロに勝利することもあった。しかし、平成19年3月、プロ棋士とコンピューターとの初の平手対局として注目された渡辺明竜王対将棋ソフト「ボナンザ」戦では、熱戦の末に渡辺竜王が勝利。その10年前にスーパーコンピューターが世界チャンピオンを負かしたチェス界とは対照的に、将棋