渡辺明『頭脳勝負』(ちくま新書)を読む。 渡辺明は、いわゆる羽生世代が最強の名をほしいままにする将棋界において、ほとんど孤軍奮闘する若手棋士である。いや実際には阿久津主税とか橋本崇載とか山崎隆之とか有力な若手もいるのだが、もうひとつのところであの最強世代の後塵を拝している。ちなみにどうでも良いことだけど、上記の阿久津、橋本、山崎は如何にも若手らしくかなりおしゃれ。特に阿久津と山崎はルックスもかなり良いので彼らがタイトル保持者になれば女性ファンがつくんじゃないかと愚考する次第。 プロ棋士というのは大抵頭が良く、現役東大生棋士もいれば大学教授棋士もいるわけだけど、渡辺明は間違いなく相当に頭の良い人だと思う。渡辺の将棋に対する姿勢は例えば羽生善治なんかに比べるとずいぶん即物的というか要するに目の前の相手をどう倒すかという点に終始していて、羽生や森内(俊之)や佐藤(康光)らにうかがえる将棋の真理を