将棋界にも「日本シリーズ」と銘打つ戦いがある。およそ160人いるプロ棋士のうち、タイトルホルダーと賞金ランキング上位者の計12人しか出られない公式棋戦だ。トップ棋士が大勢のファンの前で対局する、プロ野球のオールスター戦のようなお祭り。その華やかな舞台に今年、17歳の高校生が史上最年少で登場した。 「より多くの人に将棋の魅力を伝えたい」と語る藤井聡太七段。その言葉通り、8月に福岡国際センターで指された1回戦は、前年の4倍近い1739人の観客が押し寄せた。突出した人気ぶりは、まさに将棋界の宝と呼ぶに相応しい。 Forbes JAPANでは、そんな藤井を「世界を変える30歳未満の30人」を表彰する30 UNDER 30 JAPAN 2019 DOU(道)部門のひとりとして選出した。 これから彼は日本の「将棋」という伝統文化をどこへと誘うのか?ごく普通の家庭に生まれ、ひたすら好きなことに打ち込んで