映画版「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のストーリーは、原作「All You Need Is Kill」から大きく変わっているが、その中でも特に気になった点について述べることで、映画版の感想の代わりとする。以下、多少のネタバレがある。 最初に軽く説明しておこう。AYNIKは「ガンパレード・マーチ」や「マブラヴ オルタネイティヴ」のような異種侵攻ものの系譜に属している。人類は正体不明の怪物たちとの戦争において長く劣勢を強いられている。その戦場で主人公はタイムループに陥る。 ループものと言えば、今なら「シュタインズゲート」などが思い出されるかもしれないが、AYNIKの特徴は、シュタゲのようなパズルじみた時系列、バタフライ効果による状況の変化、といった要素に重きを置かない点にある。 AYNIKのタイムループは単純明快で、それは「斬り覚える」ための設定である。ループ中にいくら体を鍛えても、時間が
角征典さんのツイートで知った Amazon.co.uk: 100 Books To Read In A Lifetime だが、英アマゾンの編集者が選んだ「一生のうちに読むべき100冊」リストである。 少し前に米アマゾン選定「一生のうちに読むべき100冊」邦訳リストを作ったが、こちらのほうが本のカテゴリ分けがされていて意図が見えるのが好感が持てる。 というわけで、今回も邦訳リストを作ってみた。できるだけ調べたつもりだが、邦訳の抜けなどを見つけた方はお知らせください。 米版との重複は18冊で、事前に予想していたより少なかった。米版とは少し違った趣向をお楽しみください。 児童書 ビアトリクス・ポター『ピーターラビットのおはなし』(asin:4834018555、asin:B00I8L0RGK) ジュリア・ドナルドソン『もりでいちばんつよいのは?』(asin:4566007057) マイケル・ロ
→紀伊國屋ウェブストアで購入 →紀伊國屋ウェブストアで購入 「これですべてではない」 かねがねこの欄で取り上げたいと思っていたのが柴田元幸氏の翻訳である。新しいものが出ると、手にとっては「よし、これを」を思ったりしたのだが、何しろウソみたいに仕事が早い人で次々に新しいものが出る。あれこれ目移りしているうちに、ついに柴田氏は大学を辞めてしまった。きっとこれからはさらにスピードアップするに違いない。たいへんだ。 もともと柴田氏はポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザー、レベッカ・ブラウンといった作家の翻訳で知られ、どことなくこうした作家の作風とそのイメージが重ねられてきたかもしれないが、中には「書き出しで読む『世界文学全集』英米篇」(「文藝」2009年春号)などという企画もあり、そこではフォークナーやメルヴィルはもちろん、ジェーン・オースティンからコンラッド、ディケンズまで、まったく文体
南米コロンビアのサン・ビセンテ・デル・カグアン(San Vicente de Caguan)で撮影されたノーベル賞作家のガブリエル・ガルシア・マルケス(Gabriel Garcia Marquez)氏(1999年1月7日撮影)。(c)AFP/Marcelo SALINAS 【4月18日 AFP】コロンビア出身のノーベル賞作家、ガブリエル・ガルシア・マルケス(Gabriel Garcia Marquez)氏が17日、メキシコ市(Mexico City)の自宅で死去した。87歳だった。愛や家族、中南米の独裁政権を題材とした壮大な物語を、「マジックリアリズム」の技法で描き出した。 「ガボ(Gabo)」の愛称で慕われたマルケス氏は、「百年の孤独(One Hundred Years of Solitude)」や「コレラの時代の愛(Love in the Time of Cholera)」などの作品で
「ロング・グッドバイ」ドラマ化で日本版 フィリップ・マーロウに扮する浅野忠信[映画.com ニュース] ハードボイルド小説の名作と呼ばれる、レイモンド・チャンドラーの「ロング・グッドバイ」がNHKでドラマ化されることになり、浅野忠信が主演することがわかった。浅野は、原作の主人公フィリップ・マーロウをイメージした私立探偵・増沢盤二を演じる。 ドラマの舞台は、戦後復興から“豊かさの時代”への大転換期を迎える1950年代半ばの東京。人々の価値観が大きく変化していく激流のなか、流されず、見失わず、真に正しい道だけを選び取って生きていく困難さと意義を、デビューから25年を経た浅野が探偵・増沢を通して見せていく。 物語は、女優・原田志津香(太田莉菜)の夫・保(綾野剛)が妻殺しの容疑をかけられ台湾へ逃亡するが、現地で自殺する。保の親友で私立探偵の増沢(浅野)はその死に疑問を抱くが、事件は時の権力者でメデ
小説家の三島由紀夫が1963年に初めてノーベル文学賞の候補に選ばれ、最終選考の直前となる6人の候補にも残っていたことが分かり、ノーベル賞の受賞まで近い位置にいたことが明らかになりました。 これは、ノーベル賞を主催するノーベル財団が、公式ホームページで発表しました。 それによりますと、1963年のノーベル文学賞には80人が候補として推薦され、三島由紀夫も初めて候補に選ばれました。 そして、この年の受賞者であるギリシャ人の詩人、イオルゴス・セフェリスや、後の1969年の受賞者で、アイルランド出身の劇作家、サミュエル・ベケットらと共に、最終選考の直前となる6人の候補の中にも残りました。 結局、3人の最終選考の候補からは外れましたが、三島がノーベル賞の受賞まで近い位置にいたことが明らかになりました。 ノーベル財団によりますと、80人の候補の中には、三島のほかにも、3人の日本人が含まれていたというこ
人生は短く、読む本は尽きない。 せめて「わたし」が知らない凄い本と出合うべく、それを読んでる「あなた」を探す。このブログに込めた意味であり、このブログを通じて数え切れないほど「あなた」に教えてもらった。 ともすると自分の興味を森羅と取り違えがちなわたしに、「それがスゴいならコレは?」とオススメしてくれる「あなた」は、とても貴重で重要だ。そんな「あなた」のおかげで、ネットやリアルを通じて出会い、ここ一年で読んできた中から選りすぐりを並べてみる。 なお、ここでの紹介は氷山の一角、一番新しくアツいのは、facebook「スゴ本オフ」を覗いてみてほしい。読まずに死ねるか級がざくざくあるゾ。 フィクション ■ 『東雲侑子は短編小説をあいしている』 森橋ビンゴ(ファミ通文庫) ラノベを読むのは、存在しなかった青春を味わうため。 「いいおもい」なんて、なかった。劣等感と自己嫌悪に苛まれ、鬱屈した日々が終
創作論とか小説の書き方みたいな本について言うと、作家やその周辺の人が書いているせいか、かつてはその困難さを前面に掲げて、結果的に創作行為の神秘性を保守する手合が多かった。 近頃は「誰でも書ける」みたいなのも随分増えたけれど、タイトルだけ付け間違えたようなのが多くて、あいかわらず、もったいぶった文士臭さが抜けてない。 探す場所を間違えたのだと考え、はなっから「創作行為の神秘性」なんて受け付けない人たち向けに書かれたものを探した。つまり子供向けである。 学校の課題になったりするせいか、アメリカのものに、手続きだけに注力した実にアッケラカンとしたのが多かった。 ネットでフリーで手に入るものだと、National Novel Writing Month(通称:NaNoWriMo ※)のYoung Writers Program用ワークブックが、ほぼ同じ手続きを小・中・高校生向けの3種類に書き分けて
2013年9月7日、新京報によると、米テキサス州で行われた第71回世界SF大会で1日、2013年のヒューゴー賞・ネビュラ賞受賞作品が発表された。中国系作家の劉宇昆(Ken Liu)氏が昨年「紙の動物園」(The Paper Menagerie)でヒューゴー賞・ネビュラ賞の短編小説部門で受賞したのに続き、今年も「もののあわれ」でヒューゴー賞(短編部門)の受賞を果たした。 ■小説は日本文化を背景に 「もののあわれ」は地球滅亡後の25歳の若者、唯一生存した日本人が宇宙船に乗って新しい他の星へ行く物語だ。小説では彼の子供時代と、船に乗るのを待つ現在の彼との2つの時間軸が描かれている。 「もののあわれ」の主人公は数少ない日本文化の継承者だが、米国文化が主流の環境で生活しており、そのため周囲の様々な事柄に溶け込めずにいる。劉氏はここで文化の不平等の問題を深く論じている。小説の構造は複雑ではないが細やか
米国の作家、故J・D・サリンジャー(J.D. Salinger)氏の小説「ライ麦畑でつかまえて(The Catcher in the Rye)」(2010年1月28日撮影、資料写真)。(c)AFP/Mandel NGAN 【8月27日 AFP】米紙ニューヨークタイムズ(New York Times)が25日に伝えたことろによると、小説「ライ麦畑でつかまえて(The Catcher in the Rye)」で知られる米国の作家、故J・D・サリンジャー(J.D. Salinger)氏の未発表作品のうち少なくとも5作品が新たに出版される見込みだという。 サリンジャー氏の作品が最後に発表されたのは1965年。同氏は人前にめったに姿を見せず、2010年に91歳で亡くなるまで米北東部ニューハンプシャー(New Hampshire)州で半世紀近くひっそりと暮らしていた。近しい関係者らは、同氏が執筆活動を
ドミニク・ベネール(Dominique Venner)氏の自殺を受けて中にいた人たちが避難を終えたフランス・パリ(Paris)のノートルダム大聖堂(Notre Dame Cathedral)。手前に警察が貼った立ち入り禁止のテープが見える(2013年5月21日撮影)。(c)AFP/PIERRE VERDY 【5月22日 AFP】フランス・パリ(Paris)のノートルダム大聖堂(Notre Dame Cathedral)内の祭壇前で21日、極右活動家で作家の男性が銃で自殺した。男性は同国のアイデンティティーを守るため、「目を見張るような」行動を呼び掛けていた。 警察はこの男性の身元を、同国の極右国家主義グループにつながりを持つ活動家でエッセイストのドミニク・ベネール(Dominique Venner)氏(78)と確認した。 極右政党である国民戦線(Front National、FN)のマリー
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以前作ったものの改訂版です(旧版はこちら)。 書影 タイトル 著者 主語 割合 心変わり ミシェル・ビュトール きみ 全編 アウラ*1 カルロス・フエンテス 君 全編 暗い旅 倉橋由美子 あなた 全編 やぶにらみの時計 都筑道夫 きみ 全編 きみの血を シオドア・スタージョン あなた 最初と最後だけ デス博士の島その他の物語*2 ジーン・ウルフ きみ ほぼ全編 箱男 阿部公房 君 ほんの一部(《Cの場合》) ブライト・ライツ、ビッグ・シティ ジェイ・マキナニー きみ 全編 カケスはカケスの森 竹本健治 あなた ほぼ全編 あなたが目撃者です*3 山口雅也 あなた 全編 ターン 北村薫 君 5分の3くらい(←適当) 二の悲劇 法月綸太郎 きみ 一部*4 ある男の聖書 高行健 おまえ 全編 マスグレイヴ館の島 柄刀一 あなた、、、*5 一部 容疑者の夜行列車 多和田葉子 あなた 全13章中約12
3月に開催されるWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で盛り上がりつつある昨今、その影でSF小説によるWBCもひそかに行われたことを知っていますか? ダ・ヴィンチ電子ナビでは、「SF小説で打順を組もう」というテーマで、古今東西のSF小説をTwitterでつぶやきながら、それぞれの打順を決めていくというTwitter読書会を開催。期間中、参加者は各々が好きな作品について紹介し、タイムラインは往年の名作や近年の話題作などSF小説のタイトルで埋め尽くされました。 つぶやきの中でも目立っていたのは、やはり「アメリカSF打線」。3番『火星年代記』、4番『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』、5番『タイタンの妖女』などといった、SF史に残る名作で打線を組む人が多く、WBC同様、アメリカSF小説の層の厚さをうかがわせました。それに対抗するように「イギリスSF打線」も盛り上がり、クリーンナップに『2
【1月30日 AFP】難解な言語表現で名高い小説『フィネガンズ・ウェイク(Finnegans Wake)』の中国語版が新たに出版され、中国でヒットしている。 国営新華社(Xinhua)通信によると、12月に発売された初めての中国本土版『フィネガンズ・ウェイク』は初版の8000部を完売した。 翻訳は上海(Shanghai)の復旦大学(Fudan University)の戴従容(Dai Congrong)氏が8年かけて行った。ジェイムズ・ジョイス(James Joyce)の原作の意識の流れや、独特の言語表現などを中国語で模倣しようと試みている。 翻訳版を出版した上海人民出版社(Shanghai People's Publishing House)は、『フィネガンズ・ウェイク』のヒットについて「まったく予想していなかった」と述べている。 書籍には批判の声も上がっている。ある読者はマイクロブログで
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