福島の災厄にピリオドを打てぬ政府。だが、国の新たなエネルギー戦略案には、重要な柱の一つとして「原子力」が明記されている。なぜか──その謎を解くには電気事業法に加え、とある省令の掘り起こしが必要だ。 >>「東電のウラ側、原発の儲かるカラクリ」の目次はこちら 「原発がなければ電力が不足する」という不安が巷に蔓延している。震災後の計画停電の経験が刷り込まれ、新聞やテレビが、まるで「原発がなければ停電だぞ」と脅迫するかのように報じているからだ。事実はどうか。 東京電力のHPには、連日の需給状態を示す「電力の使用状況グラフ」が掲載されている(上図参照)。6月5日のピーク時供給力は4020万kW。これに対する予想最大電力は3240万kW。平均して500万kW、供給力が需要を上回っている。別ページに掲載された「今夏の需給見通しと対策について」の第三報(5月13日付)には、同社が弾き出した夏の電力需給予測