昨今、中小企業を中心に懲戒解雇を悪用した人員整理が横行しているようです。 懲戒解雇とは、違法行為や重大な違反行為を犯した社員に対して、会社から課せられる制裁罰です。会社の業績不振などによる整理解雇や、職務能力欠如を理由とする普通解雇とは異なり、労働者にとっては社会的死刑ともいえるほどの不利益を受けることになります。例えば、履歴書には前職の退職理由に懲戒解雇と記載しなければなりません。そうなれば、再就職は極めて困難です。さらに、失業給付を受ける場合や税制面でも一定の制約を受けることになるなど、退職後の生活に大きな影響を及ぼします。従って懲戒解雇は、厳格な判断のもとに慎重に有効性が判断されなければなりません。 ところが、社員を解雇するために、事件を捏造して懲戒解雇に及ぶ手法が増えているのです。 ●違法な懲戒解雇の事例 ある会社で実際にあった懲戒解雇の事例を紹介しましょう。 アパレル会社に勤務す