「不寛容なリベラル」というパラドクス 時の法令コラム2009年9月 二〇〇〇年前後より、西欧各国で移民排斥・移民批判を掲げる政党の躍進が目立っている。オーストリア、スイス、オランダ、ベルギー、フランス、デンマークなどの各国で、既成政治を批判し、移民問題を前面に打ち出した右翼政党が勢力を伸ばしており、政権に参加する例もある。オランダでは、コラムニストのフォルタインが設立した新右翼政党フォルタイン党が、結党まもない二〇〇二年選挙で一挙に得票率一七%で第二党に進出し、短期間ながら政権入りを果たした。その後もオランダでは移民批判を声高に唱える政党が相次いで設立され、人気を博している。 「ヨーロッパで移民批判の右翼が台頭」と聞けば、日本ではネオナチなどの極右を思い浮かべ、反ユダヤ主義、暴力行動や反民主主義といったイメージを持つ人が多いだろう。 しかし、近年躍進したオランダや北欧の新右翼政党に着目する