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ブックマーク / honz.jp (40)

  • 『政治学者、PTA会長になる』これぞ街場の民主主義!政治学者が世間の現実と向き合った1000日の記録 - HONZ

    「その悩み、○○学ではすでに解決しています」みたいなタイトルのを見かけることがある。あなたが日々の仕事で直面する悩みや課題は、すでに最新の学説や理論で解決済みですよ、というわけだ。 だが当にそうだろうか。最新の学説や理論を応用すれば、世の中の問題はたちどころに解決するものだろうか。 著者は政治学を専門とする大学教授である。「話すも涙、聞くも大笑いの人生の諸々の事情」があって、47歳にして人の親となった。小学校のママ友やパパ友のほとんどは干支一回り以上年下だ。そんなママ友からある日「相談があります」と呼び出され、いきなりこんなお願いをされた。 「来年、PTA会長になってくれませんか?」 まさに青天の霹靂だ。驚いた著者は必死に出来ない理由を並べ立てる。「フルタイム・ワーカー」だから無理!「理屈っぽくて、短気で、いたずらにデカいジジイ」だから無理!ところがママ友は決してあきらめず、最後は情に

    『政治学者、PTA会長になる』これぞ街場の民主主義!政治学者が世間の現実と向き合った1000日の記録 - HONZ
  • 『国道16号線 「日本」を創った道』 - HONZ

    私が住む東京都町田市の小田急町田駅の東口の広場には「絹の道」という石碑がある。それをゼミ生に見せてからJR横浜線の下り線に乗り、八王子に向かう。その車中で、なぜ八王子と町田を結ぶこの街道が絹の道と呼ばれるか、学生たちに説明する。 このあたりの多摩丘陵の地形地質が桑畑に向いていて、それが地域の養蚕業を盛んにしたこと。そうして絹製品の産業基盤がこのあたりにあったところに、幕末期に盛んになった生糸輸出で、山梨や長野、群馬の生糸がいったん八王子に集まり、そこから輸出港横浜まで運搬されるルートができたこと。その流通加工拠点であった八王子には富が蓄積されたし、横浜までは生糸を馬の背に乗せて運ぶにも一日では歩ききれないので、行商人たちがその中間地点の町田で一泊してお金を落としたこと。横浜で生糸を売り捌いて懐が暖まった行商人たちが、おそらく帰路についた一泊目の町田で羽根を伸ばしたので町田には町の規模の割り

    『国道16号線 「日本」を創った道』 - HONZ
  • 『日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学』日本型雇用慣行は、なぜこれほどまでに変わらないのか - HONZ

    いったんでき上がった社会の仕組みは、社会のコンセンサスがなければ決して変わらない。 そして、その前提となるのは透明性と公開性であり、これがない改革は必ずつまずく。 こうした仮説のもと、雇用、教育、社会保障、地域社会、政治、さらには日人の「生き方」までを規定している「慣習の束」がどのようにでき上がってきたのかを、歴史的事実と豊富な参考文献に基づいて丹念に解き明かしているのが書である。 とくに今、日型雇用慣行(女性と外国人に対する閉鎖性、正規と非正規との格差、転職のしにくさ、高度人材獲得の困難さ、長時間労働と生産性の低さ、ワークライフバランスの悪さなど)に対する閉塞感が蔓延しており、働き方改革が叫ばれているにもかかわらず、なかなか社会は変われない。なぜなら、今の雇用慣行は経営の裁量を抑えるルールとして、労働者側が歴史的に達成してきたものだからである。 日では、職務の明確化や人事の透明化

    『日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学』日本型雇用慣行は、なぜこれほどまでに変わらないのか - HONZ
  • 『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』 不都合な真実から目を背ける人たち - HONZ

    具体的な数字やデータを示してもダメ。明晰な論理で説いてもムダ。そんなとき、あなたはきっとこう思ってしまうのではないか。「事実はなぜ人の意見を変えられないのか」。 実際問題、日々の生活でそんな思いを抱いてしまう場面は少なくないだろう。失敗例がすでにいくつもあるのに、それでもまだ無理筋を通そうとする社内のプレゼンター。子育てのあり方をめぐって、何を言っても聞く耳を持ってくれないパートナーなど。また不思議なことに、たとえ高学歴の人であっても、「事実に説得されない」という点ではどうやらほかの人と変わらないようだ。 さて書は、冒頭の問いを切り口としながら、人が他人に対して及ぼす「影響力」について考えようとするものである。心理学と神経科学の知見を織り交ぜつつ、著者は早々に厳しい診断を下す。 多くの人が「こうすれば他人の考えや行動を変えることができる」と信じている方法が、実は間違っていた…。 数字や統

    『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』 不都合な真実から目を背ける人たち - HONZ
  • 何でも治ることを売りにした最悪の治療法の歴史──『世にも危険な医療の世界史』 - HONZ

    現代でもインチキ医療、危険な医療はいくらでも見つけることができるが、過去の医療の多くは現代の比ではなくに危険で、同時に無理解の上に成り立っていた! 書『世にも危険な医療の世界史』はそんな危険な医療史を、元素(水銀、ヒ素、金など)、植物と土(アヘン、タバコ、コカインなど)、器具(瀉血、ロボトミー、浣腸など)、動物(ヒル、人、セックスなど)、神秘的な力(電気、動物磁気、ローヤルタッチ)の五種に分類して、語り倒した一冊である。 実のところ、このは何でも治ることを売りにした最悪の治療法の歴史を、簡潔にまとめたものだ。言うまでもなく、「最悪の治療法」は今後も生み出されるだろう。 単なる事例集にすぎないともいえるのだが、それでダレるということもなく、出てくる例があまりにもトンデモでひどいことをやっているのでなんじゃこりゃ! と笑って驚いているうちにあっという間に読み終わってしまう。たとえば、ペス

    何でも治ることを売りにした最悪の治療法の歴史──『世にも危険な医療の世界史』 - HONZ
  • 『20億人の未来銀行 ニッポンの起業家、電気のないアフリカの村で「電子マネー経済圏」を作る』 - HONZ

    以前、HONZでも書評を書かせて頂いた(『宇沢弘文 傑作論文全ファイル』)、経済学者の故宇沢弘文氏の旧宅「宇沢国際学館」に夜ごと集まって、経済や医療や国際関係などの話をする不思議な会合がある。 書の著者の合田真氏とはその席で隣り合わせて、日植物燃料という会社を経営しているというから、今関わっているリゾート施設のバイオマス発電の話でもしようかなと思ったら、京都大学で冒険部にいたけど中退したとか、アフリカでバイオ燃料をやっているとか、終いにはモザンビークで新しい銀行システムを作っているとか、初めはかなり怪しげな話だなと思って聞いていた。 そもそも、アフリカで「電子マネー経済圏」を作るのに、「20億人」と言っている所からして何かおかしいと思った。と言うのも、アフリカの現在の人口は12億人しかいないからだ。 ところが、合田氏の話す内容が100%フィンテック絡みの話で、それが金融出身の私には、結

    『20億人の未来銀行 ニッポンの起業家、電気のないアフリカの村で「電子マネー経済圏」を作る』 - HONZ
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    tanaboo 2018/07/11
  • 『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』AI・ビッグデータの暴走を止めよ! - HONZ

    『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』AI・ビッグデータの暴走を止めよ!編集部解説 ある日、ドアを開けると・・・ ある日、玄関の呼び鈴が鳴り、ドアを開けると警官が立っている。 「警察はあなたを監視しているので、気をつけるように」 そう告げられるが、これまで犯罪をおかしたことなどない。だが、ビッグデータを活用した「犯罪予測システム」によって、要注意人物として指定されたという。ソーシャルネットワーク解析によって、知り合いに犯罪者のいたことが、その理由の一端らしい。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 求職中のあなたは、就職したい企業に応募するが、どこからも断られてしまう。学業は優秀だし、採用されるとばかり思っていたので、たいへんなショックだ。原因はどうやら「適性検査」プログラムで、メンタル面に問題ありと診断されたことらしい。普及している電子審査のため、どこを受けても同

    『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』AI・ビッグデータの暴走を止めよ! - HONZ
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    tanaboo 2018/06/18
  • 『3000万語の格差 : 赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ』3歳までの言語環境に、3つのTで - HONZ

    育児には神話がある。また、周囲の友人や口コミサイトからの情報に溺れ、真偽を判断する余裕もない。情報に溺れることなく、なるべく子どもと過ごす時間を増やしたいのだが、子どものためにやるべきことは尽きない。ギリギリまで手抜きしてズボラに育児がしたいが、それで、ちゃんと育児やっているんだろうか、できていると思えるのだろうか、悩む。 そんなふうに自分もなるんだろうなと、悲観的なシナリオを子どもの誕生前に考えていた。そんなときに原書『Thirty Million Words』を発見した。私の育児はこのに書かれた科学と実践によって、楽しむことができ、シナリオ通りに育児は大変だが、のらりくらりと乗り越えることができている。前置きが長くなったが、書について、紹介したい。 魅力はたった一つである。多忙な育児の中でも、0円で、すぐに、誰でも行動に移せることだ。 背景にある研究は、トッド・リズリーとベティ・ハ

    『3000万語の格差 : 赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ』3歳までの言語環境に、3つのTで - HONZ
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    tanaboo 2018/06/18
  • 『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』 AI研究が明らかにした人間の弱点 - HONZ

    書店で、テレビで、ツイッターで、AIの二文字が踊っている。創造性あふれる小説の執筆や複雑なビジネスオペレーションの効率化など、これまで人間にしかできないと思われていた知的活動を、最新のAIが軽々と成し遂げたことを伝えるニュースは引きも切らない。 特に、将棋や囲碁のトッププロをAIが打ち破ったニュースは驚きとともに世界に伝えられた。ウサイン・ボルトより早く走る車やそろばん名人を凌駕する計算能力を示すコンピュータは当たり前のものとなったけれど、将棋や囲碁のように複雑でクリエイティビティが要求されるゲームは、大きな脳を持つホモ・サピエンスの専売特許のはずだった。そんな得意分野における人類最高峰がAIに敗れてしまったのだ。 AIブームは過熱するばかり。今後もAIは成長を続けることで人間の知能を追い越すというシンギュラリティ理論や、AIが人間に牙をむくことになるというAI脅威論も広まっている。果たし

    『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』 AI研究が明らかにした人間の弱点 - HONZ
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    tanaboo 2018/02/12
  • 哲学と科学の間。文系がハマる脳科学本 『脳の意識 機械の意識』 - HONZ

    物質と電気的・化学的反応の集合体にすぎない脳から、なぜ意識は生まれるのか。書は、この謎に気鋭の脳神経科学者が迫った一冊だ。現代科学の最前線の知見を手がかりに、「人工知能」ならぬ「人工意識」の可能性に切り込む。「幼少期が終わり、大きな転換点を迎えている」この分野の現状をまとめ、これからを見通した非常にエキサイティングなだ。 私は近ごろ、女性を見て、オンナを意識することが少なくなった。への愛が深いからなのか、歳をとったからなのか、はたまた悪い病気でも潜んでいるのだろうか。でも書を読んで、「女性を見る」ことができるだけでも、スゴイことなんじゃないかと思うようになった。このの「意識」とは、物質にすぎない脳が「何かを見る」という感覚意識体験のことである。 「見える」「聴こえる」などの感覚意識体験、いわゆる「クオリア」。我々一般人には当たり前過ぎて、それが「意識」だという認識すらないかもしれ

    哲学と科学の間。文系がハマる脳科学本 『脳の意識 機械の意識』 - HONZ
    tanaboo
    tanaboo 2018/02/09
  • 『「日本の伝統」の正体』著者インタビュー - HONZ

    去る1月中旬、こんなメールが筆者のもとに届いた。「追加取材をしませんか」 柏書房の編集部からのものだった。文面によれば、筆者が年初にHONZで書いた『「日の伝統」の正体』(藤井青銅/柏書房)のレビューを皮切りに、正月中にAmazonは在庫切れ、紀伊国屋新宿店では完売、記事を見た他書店からも追加注文がぞくぞくと入ってきている……という状態だったそうだ。SNSを中心にびっくりするくらい拡散されていたのは気づいていたが、こうして実際に売れ行きが好調だと聞くと、レビュアーとしては嬉しいばかりだ。 それはともかく、初詣や恵方巻き、平安神宮の歴史が実は長くないという事実を含め、「日の伝統」と聞いて、なんとなくモヤモヤした思いや感情を持っている人がそれなりにいることも反響を見ながら感じていた。そんなわけで、柏書房に赴き、著者の藤井青銅さんにインタビューを行った。作家・脚家・放送作家とマルチに活躍

    『「日本の伝統」の正体』著者インタビュー - HONZ
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    tanaboo 2018/02/08
  • 『カレーライスを一から作る』米も、野菜も、肉も、食器も! - HONZ

    カレーライスを一から作る。そう聞けば「ふむふむ、市販のルーを使わずに、スパイスをアレンジするのかな」と、まずは思うのが普通のリアクション。で、隠し味とか一手間とか、なにか工夫やアイディアがあって、と。実際「カレーライスをつくる」「カレーライスを語る」というは数多ある。なにしろ国民。美味しく作るために、どれほど多くの人々が、どれほど多くの情熱を傾けてきたことか。 しかしこのはそうではないのだ。表紙に小さく書いてある「関野吉晴ゼミ」の文字に気づけば、ただのカレーライスではないことがわかるだろう。 関野吉晴さんといえば、人類の足跡をたどる旅・グレートジャーニー! 1995年から2002年までフジテレビで不定期放送されていた紀行ドキュメンタリーで、世界中を飛び回っていた探検家である。植村直己冒険賞受賞、人類学者であると同時に外科医でもある。この日が誇る探検家がカレーライスをどうしたって?

    『カレーライスを一から作る』米も、野菜も、肉も、食器も! - HONZ
    tanaboo
    tanaboo 2018/01/24
  • 『消費資本主義』「見せびらかし」の心理をひも解く - HONZ

    書は「見せびらかし消費」についてのである。高級な車や時計、ファッションなどの典型例を出すまでもなく、機能というよりはステータスを手に入れようとする消費行動は世の中のあらゆるところに存在している。 では、わたしたちはそうした消費を通して、具体的に「何を」見せびらかしているのか? あらためて問われると、はっきりとした回答は案外浮かばない。富の多さ、社会的地位、生活の充実度など思いつきの答えはいくつか浮かぶものの、何だか漠然としていてとりとめがない。 そこに意外な角度から、より具体的で明快な答えを提示しようとしたのが書である。見せびらかし消費を、進化心理学の視点から考察していくのが特徴だ。進化心理学者の著者に言わせれば、人々が見せびらかそうとしているものは、富や地位云々というよりも個人の資質や(環境への)適応度だという。 例えばクジャクならば、オスの立派な尾羽は「こんなに獲得に無駄なコスト

    『消費資本主義』「見せびらかし」の心理をひも解く - HONZ
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    tanaboo 2018/01/23
  • 『宗教国家アメリカのふしぎな論理』 矛盾だらけのアメリカを宗教から読み解く - HONZ

    その男は酒もタバコもしない。ギャンブルに手を出すこともない。刺激物はコーヒーすら飲まないのだ。キリスト教の教会に通い、積極的思考(ポジティブシンキング)を実践することで世界一の大国アメリカで人もうらやむ成功を手にした。この禁欲的に思える男の名前は、ドナルド・トランプ。そう、現アメリカ大統領のトランプには奇妙な信心深さがある。 テレビから伝わるトランプのイメージは、禁欲や信心深さという言葉からは対極にある。政敵を口汚く罵り、派手な女性遍歴を誇るトランプに、どのように禁欲的な性質が内在するのか。遠く日から眺めていると、その存在は矛盾だらけの奇妙なものに思えてくる。しかし、『反知性主義』でトランプ現象を予測したとも言われた著者の森あんりは以下のように、トランプの存在は特異なものではないと説く。 トランプの奇妙な信心深さは、アメリカ的なキリスト教の文脈ではけっして特殊な例ではないということです

    『宗教国家アメリカのふしぎな論理』 矛盾だらけのアメリカを宗教から読み解く - HONZ
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    tanaboo 2017/12/22
  • 言葉の解釈をめぐる、解決困難な諸問題──『自動人形の城: 人工知能の意図理解をめぐる物語』 - HONZ

    書は、同著者による数学的原理に裏打ちされた傑作ファンタジィ『白と黒のとびら: オートマトンと形式言語をめぐる冒険』、その続篇『精霊の箱: チューリングマシンをめぐる冒険』とはまた違った物語──副題にもある通り、命令を何でもこなしてくれるスゴイ人工知能をつくる上で避けては通れない、コミュニケーションにおける人工知能の意図理解についての一冊である。 図や数式は一切なく、ワガママで勉強嫌いな王子と、彼の住まうクリオ城へと危機が迫り、「人間の命令を忠実に実行する」自動人形に囲まれた、王子の孤独な戦いがはじまる──。といったファンタジィとも童話ともいえる物語を純粋に楽しみながら読み進めるうちに、人と機械のコミュニケーション時に不可避的に発生する、「意図の理解」をめぐる難しさ、自然言語で機械に対して命令する際、原理的に出現する諸問題が把握できてしまうという優れものだ。 作の「人形」は、現実世界では

    言葉の解釈をめぐる、解決困難な諸問題──『自動人形の城: 人工知能の意図理解をめぐる物語』 - HONZ
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    tanaboo 2017/12/18
  • 『アフター・ビットコイン』ブロックチェーンが金融界を変える - HONZ

    2017年10月末、ビットコインの時価総額は1000億ドルを突破。スマホなどでビットコインを管理するユーザーは全体として11兆円を超える潜在的な購買力を持っていることになる。 2009年10月にビットコインが法定通貨と交換開始されたときのレートは100ビットコインで9円だった。2011年には英字紙「TIME」がビットコイン特集を組んだ。この時点で1ビットコインは87円に上昇していた。歴史ある雑誌の特集を読んで、ビットコインを1万円ほど買った人がいたとしたら、現在の価値は9千万円ほどになる。 この現象が虚像なのか、法定貨幣を補完する存在になり得るのかは別にして、ビットコインの基盤技術であるブロックチェーンは間違いなく世界を変革していく。ビットコイン現象はブロックチェーン1.0でしかない。 既に全世界の金融界は各国中央銀行を含め、決済・送金、証券決済などでブロックチェーンを利用する準備を始めた

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    tanaboo 2017/12/08
  • 白いご飯は味がないから苦手?!『残念和食にもワケがある』 - HONZ

    主婦44歳 主婦の昼は残り物の煮物、キムチ、紅茶、ご飯。「事を中断するときには、お箸は刺しておく」家庭。夫の事写真も主婦の事写真も、お箸はご飯に刺し立てて撮影している。ラーメンやうどんなどの麺類でも、同様。 幼いころ怒られて教えられた記憶がよみがえる。「お葬式の時にすることだから絶対やっちゃダメ」というのはもはや常識ではなくなってしまったのだろうか? 書は「ドライブ調査」に基づいて考察された、現代の日卓にのぼる和の実態である。たくさんの写真とインタビューから描き出される姿に、あなたは驚くだろうか、それとも何とも思わないだろうか。 データの基となる「ドライブ調査」とは何か。 調査対象は1960年以降に生まれた、首都圏に在住する、子どもを持つ家庭の主婦である。卓を定点観測するが「事や「品」の調査ではなく、現代の家庭のあり方や、家族の関係を明らかにするのが目的だ。

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    tanaboo 2017/11/16
  • 脳はいかにして現実を認識するのか──『あなたの脳のはなし: 神経科学者が解き明かす意識の謎』 - HONZ

    我々は”現実”をありのまま受け取っているわけではない。いったん視覚情報や触覚情報といった身体表面から情報を受け取り、それを脳で解釈することによってはじめて”人間用に最適化された、人間用の世界”を構築する。我々はある種のフィクションの世界を生きているわけだ。 と、大層な語りだしではじめたけれども、書はそうした現実の解釈機関である脳についての一冊だ。著者のデイヴィッド・イーグルマンは日でも『あなたの知らない脳──意識は傍観者である』で知られる神経科学者で、巧みな文章で脳科学の世界を紹介する伝達者である。書は著者が監修・出演した(世界で人気なのだ)BBCのテレビ番組の書籍版であり、「人はどうやって決断を下すのか」、「人はどうやって現実を認識するのか」など縦横無尽に語ってみせる。 書だけで脳科学が全てわかるわけではないが(そんな事はどんなでも無理だ)、分野の動向を概観し、入り口とするため

    脳はいかにして現実を認識するのか──『あなたの脳のはなし: 神経科学者が解き明かす意識の謎』 - HONZ
  • 『経営の針路』日本企業の経営は、世界からどのように乖離してきたか? - HONZ

    書は、マッキンゼーの日支社長からカーライル・ジャパンの共同代表を経て、現在、早稲田大学ビジネススクールの教授を務める平野正雄氏の最新刊である。 平野氏がコンサルタントとプライベートエクイティファンド経営者としての経験を通じて学んだ、過去30年の間に日企業の経営が世界からどう乖離してきたかという歴史と今後の処方箋が丁寧且つ論理的に語られている。 書のポイントを短くまとめると、今、企業経営における世界の最前線は、日人がステレオタイプに抱きがちな「株主価値至上主義」の先を行っており、資市場と企業との関係について言えば、最早、経営の規律の拠り所を株主価値には求めておらず、自らのビジョンと理念に基づいた経営で業績を高め、新たな価値観を提示することで人材を引きつける、次の段階に移行しているということである。 日ではいまだに多くの企業で「いい会社(good company)であり続けること

    『経営の針路』日本企業の経営は、世界からどのように乖離してきたか? - HONZ
  • 『仕事と家庭は両立できない?』男性の平等が達成されなければ、女性の平等も実現しない - HONZ

    仕事と家庭は両立できない?-「女性が輝く社会」のウソとホント』(原題:Unfinished Business: Women Men Work Family)の元になった、The Atlantic誌2012年7-8月号の論考『女性は仕事と家庭を両立できない!?』(原題:Why Women Still Can’t Have It All)の中で、アン=マリー・スローター教授が訴えた現代社会の「不都合な現実」は、フェミニズム先進国のアメリカ社会で大論争を巻き起こした。 フェイスブックのシェリル・サンドバーグCOOが、働く女性の意識改革を訴えて全米大ベストセラーとなった『LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲』(原題:”Lean In: Women, Work, and the Will to Lead”)の出版からまだ数か月という時期に、元国務省高官で現プリンストン大学教

    『仕事と家庭は両立できない?』男性の平等が達成されなければ、女性の平等も実現しない - HONZ