進捗遅れが許されないのは、ビル建築と宅配便も同じだ。ビルの完成が遅れると違約金が発生しかねず、荷物の遅配は信用失墜につながる。しかもどちらも、いったん進捗が遅れると挽回するのは難しい。前田建設工業とヤマト運輸を例に、進捗厳守の仕組みを紹介する。 ビル建築:前田建設工業 3次元の設計モデルを徹底レビュー、施工前にリスクを洗い出す 近年、ビルの建築工事を受注するための重要な競争条件になっているのが、工期の短縮である。前田建設工業の曽根巨充氏(テクノロジーセンター TPMプロジェクト推進室 マネージャー)は、「同規模のビル建築なのに、数年前に比べると今は工期が2割ほど短いこともある」という。 ただし建設会社にとっては、工期を短縮するほど、竣工(工事の完了)が遅れるリスクが高まる。竣工の遅れは、違約金につながる場合もあり顧客の信頼を失うので、なんとしても避けなければならない。そのため、工事の進捗遅
![PART4 絶対に遅れが許されない建築、宅配便の仕組み](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bed39b5962a5d552c95b6d796db8f55e72d32943/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fimages%2Fn%2Fxtech%2F2020%2Fogp_nikkeixtech_hexagon.jpg%3F20220512)