日本初の本格的な宮廷庭園跡とされる奈良県明日香村の「飛鳥京跡苑池(えんち)」(国史跡・名勝)で、高床式の木造舞台跡とみられる多数の柱穴が、池の中島(なかじま)の周辺や岸辺で見つかった。県立橿原(かしはら)考古学研究所の東影(ひがしかげ)悠(ゆう)主任研究員が2日、同県橿原市での講演で明らかにした。「水上舞台」で歌舞などを演じて外国使節らを接待したり、祭祀(さいし)や儀式を行ったりしていた可能性がある。 苑池は7世紀後半(飛鳥時代)に造営され、南北二つの人工池や水路、噴水用石造物などが確認されている。五角形の南池(東西65メートル、南北55メートル)では東西約32メートル、南北約15メートル、高さ約1・3メートルの複雑な曲線を持つ中島が出土。苑池南東には宮殿(飛鳥宮〈630~694年〉跡)が広がっていた。 東影さんによると、中島を取り囲むように直径0・9~1・2メートルの円形の穴が計約120