トウガラシと交雑しても辛くはならない 「シシトウはトウガラシと交雑すると辛くなる」という事をよく耳にしますが、実は正しくありません。通常、受粉後に「花粉親」の形質が現れるのは、交雑した種子から成長した植物(次の世代の果実)。つまりシシトウ(甘味品種)のめしべにトウガラシ(辛味品種)の花粉が付いてできた当代果実にはトウガラシの辛味は現れない、ということです。その逆にトウガラシ(辛味品種)のめしべにピーマンやシシトウ(甘味品種)の花粉と交雑してできたトウガラシの当代果実が辛味を失う事もありません。(当代果実の種皮や果皮に花粉親の形質が現れる事をメタキセニア現象と言うが、シシトウとトウガラシを扱った研究ではこのメタキセニア現象によってシシトウは辛くならないと結論付けられている。) つまりシシトウ(甘味品種)とトウガラシ(辛味品種)を隣に植えて交雑しても、当代果実では辛いシシトウにはならないのです