2013年11月06日 体内のゲノムは全ての細胞で同一ではない‐神経細胞の大きな多様性 背景: 生物はDNAによって構成されるゲノムに保存することで、子孫へと遺伝情報を伝えている。子孫はその遺伝情報を利用して自らを形成するために、小さな修飾を利用して個々の組織の細胞に個々の機能を持たせている。しかし、体内の全細胞に存在するゲノムが全て同一ではないことが、近年の研究によって明らかにされつつある。 要約: 生物の体の設計図となるゲノムは両親から受け継がれ、たった1つの細胞から分裂を繰り返して全身を形作っていくため、かつて全身の細胞に含まれるすべてのゲノムは同一であり、機能の差はゲノムの読み方の差のみで決まると考えられていた。 しかし過去10年の間に発表された神経ゲノムの研究によって、同一人物の細胞内で染色体の数が異なっていたり、ゲノム内でDNAの転移が起こっていることが分かり、上記のような見方