ポール・アンダーソン 早川文庫 もし不老不死に生まれついたらどうですか? 20代なかばで老化が止まり、大病もせず怪我もすぐに治ってしまう。 言うことないですよね。でも、周りの人々は普通人で、配偶者や子供までもが、自分よりも早く老いて死んで行く。社会からは化け物みたいに見られ、定住など出来なくなる。 これはそう云う人々の3000年に渡る遍歴です。仲間を捜すもの、捜されるのを拒むもの、不死人にもいろいろいます。 各章ごとに、登場人物は異なる名前で出てきます。こいつは誰だったかな、と戸惑いますが、徐々にピースが埋まってゆく巨大なパズルみたいで、けっこう楽しい。 長い長い歴史の裏側を生きてゆく不死人たちですので、3巻の長い本になるのも当然。彼らの生きた時間を追体験するには、これでも足りないくらいです。