(2009年6月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) もし権力が地形の問題だったとすれば、誰が本当に日本を支配しているのか、疑問を差し挟む余地はない。国会議事堂と首相公邸がある永田町は小高い丘の上に堂々とそびえ、官僚が何の変哲もない庁舎で黙々と働く霞が関と皇居を見下ろしている。 しかし日本の野党・民主党にとっては、政治家が優位に立つという考えは幻想でしかない。世論調査によれば、民主党は来る総選挙で長年政権の座にある自民党に歴史的な圧勝を遂げる見通しだが、民主党の指導者は選挙準備に乗り出す一方、もっと根本的な目標に狙いを定めている。 彼らが日本の真の権力と見なしている政府官僚から権限を奪おうとしているのだ。 真の権力を握ってきた官僚組織 「政治に対する信頼を回復するためには、上から目線の官僚主導の政治を打破していかなければならない」。民主党の鳩山由紀夫代表は麻生太郎首相との党首討