国土交通省雲仙復興事務所によると、約1億立方メートルの溶岩ドームは年平均約6センチずつ東南東にずり落ちている。地震や大雨で大崩落すれば麓の約500世帯が影響を受けるとされる。このため地元の同県島原市と九州大地震火山観測研究センターは、18年前から年2回、現状把握のための登山を続けている。 この日は約80人が、立ち入り制限された警戒区域を視察。ドームに染みた雨水が湯気となって白く上がる部分の温度は前回よりやや高い91度だった。清水洋センター長(63)は「火山活動は落ち着いた状態だが、急斜面で不安定な溶岩ドームは地震などで崩落の恐れがある」と指摘した。(真弓一夫) 【写真特集】雲仙・普賢岳