中国人観光客が大挙して押し寄せ買い物をしていた銀座(上)に彼らの姿はない MASSIMO RUMIーBARCROFT MEDIA/GETTY IMAGES <中国バブルを謳歌した観光業者が払う爆買いの代償とは。本誌「観光業の呪い」特集より> 中国の農村はまだまだ発展の余地がある。故に、中国人観光客はこれからも日本に来て、旺盛な消費活動を続けるに違いない──。かつてバブル時代に「土地の値段は上がり続ける」と信じて疑わなかった人々と同じ過ちを、われわれは犯していたのかもしれない。 新型コロナウイルスの影響で瀕死状態となった日本の観光地を巡ると、そんな教訓が見えてきた。 筆者は、爆買いブームが健在だった2017年夏、中国人観光客のツアーガイドとして東京近郊の現場を巡った経験がある(詳細は『ルポ中国「潜入バイト」日記』〔小学館新書〕を参照)。それらの観光地は今どんな状況にあるのか。日本政府の要請に