ブックマーク / www.chuko.co.jp (10)

  • 『高地文明―「もう一つの四大文明」の発見』/山本紀夫インタビュー

    「エジプトはナイルの賜物」というように、人類文明は4つの大河流域で誕生したといわれてきました。それに対して、新たな文明の発祥地として「高地文明」を提唱したのが、『高地文明―「もう一つの四大文明」の発見』です。書を刊行した山紀夫先生にお話を伺いました。 ――「高地文明」とは、どういうところにある、どんな文明でしょうか。 山:まず申し上げておきますが、「高地文明」ということばは山の造語で、まだ一般社会でも研究の世界でも知られておりません。一部の雑誌や専門書では書きましたが、広く一般にむけて発信するのは、今回の中公新書が初めてです。 私の考えでは、高地文明は地球上の熱帯圏のなかで、熱帯高地と呼ばれる地域に誕生し、発展した文明のことです。 すなわち、熱帯のなかで標高2000m以上から5000mくらいまでの高地(熱帯高地)で栄えたアステカやテオティワカン(以上メキシコ)、アンデスのティワナク

    『高地文明―「もう一つの四大文明」の発見』/山本紀夫インタビュー
    taron
    taron 2021/09/03
    別の文化類型の紹介って感じだなあ。
  • 〈弱者〉の帝国 -ジェイソン・C・シャーマン 著/矢吹啓 訳|単行本|中央公論新社

    ヨーロッパ拡大の実態と新世界秩序の創造 ジェイソン・C・シャーマン 著/矢吹啓 訳 近世ヨーロッパの軍事革命は東洋に対する軍事的優位をもたらさなかった!スペイン、ポルトガル、イギリス、オランダの海外進出、地中海でのヨーロッパとオスマン帝国との対立の実態を分析し西洋の勃興をめぐる世界史の通説を覆す。 書誌データ 初版刊行日2021/1/19 判型四六判 ページ数256ページ 定価2970円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-005373-3 書店の在庫を確認 ❑紀伊國屋書店 ❑丸善&ジュンク堂書店 ❑旭屋書店  ❑有隣堂  ❑TSUTAYA

    〈弱者〉の帝国 -ジェイソン・C・シャーマン 著/矢吹啓 訳|単行本|中央公論新社
    taron
    taron 2021/07/05
    メモ。
  • 『織田信忠―天下人の嫡男』/和田裕弘インタビュー

    織田信長には正統な後継者がいた。長男の信忠である。偉大な父の陰に隠れ、その活躍は見えにくいが、19歳(数え年)で織田家の家督を継承しており、織田軍の総大将としての実績も申し分ない。26歳の若さで能寺の変に散った信忠の潜在能力を高く評価し、伝記『織田信忠―天下人の嫡男』を著した和田裕弘さんに話を聞いた。 ――旧著『織田信長の家臣団―派閥と人間関係』の著者インタビューで、「取り上げてみたい武将の一人」として織田信忠を挙げておいででした。実際に評伝をお書きになっていかがでしたか。 和田:良質な史料にこだわって、それなりにまとめることができたのではないか、と多少の自負はあります。やはり信忠は優秀な二代目だったと再認識できました。ただ、「あとがき」にも書きましたが、信忠についての逸話があまりにも少ないことに改めて驚きました。また、彼の生涯がいかに短かったのかも改めて感じました。 ――信忠の生涯を描

    『織田信忠―天下人の嫡男』/和田裕弘インタビュー
  • はかったようなタイミング

    2020年4月、詫摩佳代著『人類と病』が刊行されました。「国際政治から見る感染症と健康格差」というサブタイトルが示すように、国際政治学者がペストを皮切りに現在の新型コロナウイルスそして生活習慣病まで、「人類と病の闘い」を描いた作品です。 中公新書についてよくご存じの方はお気づきかもしれませんが、書は今般の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて企画されたものではありません。 あとがきにも書かれているように、書の企画がスタートしたのは5年以上前。行きつ戻りつしながら、ようやく2020年春の刊行が固まったころ、武漢で発生した感染症が話題になり始めたのです。 編集を担当しながら、まさかここまでの事態になるとは想定していませんでした。そこで思い出すのが、水島治郎著『ポピュリズムとは何か』。同書も企画のたちあげから数年が経ち、執筆が進んできたところで、イギリスの国民投票により「ブレグジット」が決まり

    はかったようなタイミング
    taron
    taron 2020/05/30
    この時期に、感染症ネタの本が二冊かさなるってのも、ほんとすごいなあ。基本部分は、コロナ前に書き終わっていただろうし。
  • 『公家たちの幕末維新』/刑部芳則インタビュー|web中公新書

    幕末の動乱を描いたものは小説映画、ドラマ問わず人気が高く、数も多い。しかしそこで描かれるのは武家たちの姿ばかりで、朝廷の公家たちは後景に退いていることが多い。はたして幕末の公家たちは歴史の影に埋没した存在だったのか。『公家たちの幕末維新』を書いた刑部芳則さんに話を聞いた。 ――まず書ご執筆の経緯を教えてください 刑部:前編集長と企画について打ち合わせしたとき、実は、私が提案したのは明治時代の公家華族に関するものでした。ところが、私の話を聞いた前編集長からは、明治よりも幕末をテーマにしてはどうですかと口説かれました。想定外の話だったため、明治か幕末かをめぐって1時間くらい話し合いました。その結果、幕末で執筆することとなったのです。 この面談の直前、『京都に残った公家たち』(吉川弘文館)を刊行したこともあり、明治を迎えるまでの公家の動向に関心がないわけではありませんでした。せっかく幕末の史

    『公家たちの幕末維新』/刑部芳則インタビュー|web中公新書
  • 『宇宙はどこまで行けるか』/小泉宏之インタビュー|web中公新書

    2014年に打ち上げられた超小型深宇宙探査機プロキオンに搭載されたイオンエンジン。小泉さんら東京大学のチームが作った 世界中の民間企業が自前の人工衛星を開発するようになった現在、衛星の小型化が進んでいる。『宇宙はどこまで行けるか』を書いた東京大学の小泉宏之さんは、小型衛星に用いられる超小型イオンエンジン開発の世界的なトップランナー。その小泉さんに、宇宙開発の現在と未来について話を聞いた。 ――小泉さんはイオンエンジンの研究を専門にしていらっしゃいますが、この研究に携わるようになった経緯を教えてください 小泉:大学の学部時代には流体の数値シミュレーションの研究を行っていたのですが、大学院に進む際に大学も研究分野も変更しました。高校時代から大学院では宇宙工学を学びたいと考えていたのです。大学院に進む際も方針は「宇宙工学に関する実験研究がしたい」という漠然としたものでしたが、なんとなく「遠くの宇

    『宇宙はどこまで行けるか』/小泉宏之インタビュー|web中公新書
  • 中公新書の蒐集の世界/溝口哲郎

    中公新書が1962年11月以来刊行され、2018年8月で2500冊を突破することになった。筆者は自分なりのこだわりをもって中公新書を蒐集し、(筆者自身が確認する限り)全点所有するに至った。そこで中公新書の蒐集という点から、2500点が刊行された中公新書の魅力について語ってみたい。 まず、なぜ蒐集対象として中公新書を選んだのか、その理由を簡単に述べよう。中公新書は岩波新書、講談社現代新書とともに新書御三家と呼ばれ、内容のバラエティが豊富で、学術と一般の架け橋として日人の教養を支えてきた。そして中公新書は刊行から56年が経過し、既刊2500冊の中公新書はすべてリスト化され、探書がしやすい点も魅力的である。毎年刊行される目録も、品切れなどの確認のために欠かせないが、特に創刊50周年記念の際に書店にて配布された『中公新書総解説目録』は、増補版や改版の情報も完全に網羅しており、これから中公新書を蒐

    中公新書の蒐集の世界/溝口哲郎
  • 『物語 アラビアの歴史』/蔀勇造インタビュー

    紀元前一千年紀の古代文明から、サウジアラビアやアラブ首長国連邦、イエメンなどアラビア半島の諸国家の現状までを解説する『物語 アラビアの歴史 知られざる3000年の興亡』を刊行した蔀勇造さんにお話を伺いました。 ――書は、古代から現代までアラビアの歴史を通観するという、スケールの大きなものですが、書の特長をお教えください。 蔀:そもそもアラビアの通史というのが、国の内外を問わず非常に珍しいのではないかと思います。皆さんがよく目にされるのは「アラブの歴史」と銘打った書で、先イスラーム時代のアラビアについてのおざなりの記述に続いて、イスラームの勃興とアラブ・イスラーム軍の征服活動の経過が詳しく語られ、そこから先は、イラクからシリア、エジプトを経てマグリブやアンダルシアに至るまでの地に成立したアラブ系諸王朝の歴史が、時代を追って解説されるというのが一般的なパターンです。 アラビアについては聖地

    『物語 アラビアの歴史』/蔀勇造インタビュー
  • 『剣と清貧のヨーロッパ』/佐藤彰一インタビュー

    筆者(右端)とM・ザンクフランス碑文・美文アカデミー終身事務局長(左端)、P・トゥベール教授(フランス学士院にて) 十字軍に端を発する騎士修道会、アッシジの聖フランチェスコらによって創始された托鉢修道会。この全く性格が異なる2つの修道会について詳細を明かす『剣と清貧のヨーロッパ』を刊行した佐藤彰一さんにお話を伺いました。 ――書は、『禁欲のヨーロッパ』、『贖罪のヨーロッパ』につづく三作目となりますが、書で触れられている時代、修道制のあり方の特徴や、前著までの時代との違いについてお教えください。 佐藤:今回出版した『剣と清貧のヨーロッパ』は時間軸としては、主に12世紀から14世紀までを扱っています。この時期はヨーロッパの歴史的展開にとって極めて重要でした。今日まで続く「十字軍思想」が、一つのイデオロギーと化して、ヨーロッパのキリスト教徒の間に浸透して行く過程が、この時期開始したのです。

    『剣と清貧のヨーロッパ』/佐藤彰一インタビュー
  • 『トラクターの世界史』/藤原辰史インタビュー

    『トラクターの世界史』を上梓した藤原辰史さん。19世紀末にアメリカで発明されたトラクターが、人類の歴史をどのように変えたのか描いた意欲作です。トラクターという着眼点や執筆時の苦労などをうかがいました。 ――トラクターへの関心はいつ頃からですか。なぜ、『トラクターの世界史』を描いてみたいとおもったのですか。 藤原:小学生の頃、山に囲まれた田舎の春のよく晴れた日でした。祖父が田んぼで運転しているトラクターがとても格好よくて近くで見てみたいとおもいました。近寄ろうとすると、「危ない! 近寄るな!」と祖父が怒鳴りました。彼の怒鳴り声が、わたしにとってのトラクターの原体験です。 普段は無口な祖父でしたが、騒音と振動が激しいトラクターがどれだけ危険な乗り物であるのか、孫を事故に巻き込んだ事例があとをたちませんでしたから、伝えたかったのでしょう。そういえば、機械を扱うときは、いつも怒鳴っていました。 研

    『トラクターの世界史』/藤原辰史インタビュー
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