記事:明石書店 『ナイス・レイシズム なぜリベラルなあなたが差別するのか?』(明石書店) 書籍情報はこちら なぜ、北米の白人を想定して書かれた『ナイス・レイシズム なぜリベラルなあなたが差別するのか?』を日本社会に住む私たちが読む必要があるのか。それは、日本人がアジア諸国の中での「白人」だからである。多少乱暴な比較であることは重々承知の上だが、日本人は、アジアにおいて人種・民族的ヒエラルキーの頂点に立っている。また植民地支配の歴史における加害国としての立場も欧米の白人と類似しており、加害の対象となった人々と今も同じ国に共存していながら、歴史をきちんと学ばず、加害性と向き合っていない人が圧倒的多数派である。本書は、日本における日本人、特にリベラルを自称する人々(自分を含む)にとって、まだまだマジョリティ性の特権を持つ自分自身と向き合わなくてはならないことを示唆してくれる貴重な本だと思っている