田原総一郎さんと望月衣塑子さんとがどのような対談をするのだろうかと興味津々で本書を手にした。 親子ほど年齢差のあるジャーナリストの対談だが、是は是、非は非、というスタンスは共有しているようだ。 かって佐藤優さんが田原さんのことを、「権力党員」であると評したことがある。 「権力党員」とは、常に時の権力の内側にいて建設的批判を行った方が影響力を行使できるという意味のようだ。 が、望月さんは「権力党員」への道を歩むようなジャーナリストではないだろうと、この対談を読みながら思えてしまったのである。 表者がジャーナリストの信条として持つべき警句としてよく引用するのは、『ジャッカルの日』や『オデッサフィル』で有名な著者フレリック・フォーサイスの『アウトサイダー』という本の「はじめに」で語っていた以下の言葉である。 「七十六歳になったわたしは、いまでも自分は部分的にはジャーナリストだと思っている。ジャー