1969年東京都生まれ。92年東京大学理学部卒業。95年東京大学大学院理学研究科博士課程中退。博士(理学)。日本学術振興会特別研究員、国立科学博物館人類研究部研究主幹などを経て、2014年より現職。著書に『日本人はどこから来たのか?』、『人類がたどってきた道 “文化の多様化'の起源を探る』など。 著書 30年あまり続いた平成が終わり、日本は新しい時代に入った。先週、マル激では御代替わりの今こそ、象徴天皇制をめぐる議論を深めようではないかと呼びかけたが、今週は新しい時代を迎えるに当たり、そもそもわれわれがどこから来たのかという視点から、日本とは何なのかについて考えてみたい。 実は日本列島は約3万8千年前まで、人が住んでいない無人島だった。アフリカを出たわれわれの祖先は、ヨーロッパ、中央アジアを経由し、南北に分かれてヒマラヤを迂回した上で今から4万年ほど前に再び東アジアで合流し、それから数千年