ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並んで、「世界三大投資家」と称されるジム・ロジャーズ氏。最新刊『2030年 お金の世界地図』を発表した彼は、これから10年で「沈む国」のひとつに日本を挙げている。大の親日家として知られる彼が、なぜ日本の没落を予測するのか? 本人みずから解説してもらった。 「人口減少」「少子高齢化」が止まらない 第二次世界大戦後の日本では、勤勉な国民が懸命に働き、高品質の製品を送り出してきた。1970年代から80年代にかけての日本は世界の先進国を追い抜き、世界で最も成功した国だった。バブル崩壊後の90年代も、まだ致命的な状況ではなかった。 しかし、私が日本を訪れた1990年頃から、日本は長期的な問題を抱えるようになり、小さなほころびが、少しずつ目立つくらいに大きくなってきた。 私は日本が好きであるが、日本が再び大国の地位に返り咲くのは、おおよそ非現実的であると考えて