「世界の三猿」によれば、ヨーロッパには、見よ、聞け、言うな というような、三猿が多いそうです。 おそらくそれは、次のラテン語の諺によるものだと思います。 Audi, vide, tace, si vis vivere in pace (聞け、見よ、黙れ。もし平和な暮らしを欲するならば。) ところで、この、「聞け、見よ、黙れ。もし平和な暮らしを欲するならば。」という諺に、関連付けられ ている教訓話が、ヨーロッパでは広く流布してい るのですが、それは、三猿とは全く関係ない話になっています。話は次のようなものです。 ローマ人の話 三羽の雄鶏 ゴルディアン帝の御代に、一人の軍人がいて、美しい妻を持っていた。ある時その軍人が旅に出かける と、妻はすぐに恋人を家に引き入れて楽しんでい た。 そこには三羽の雄鶏がいて、夜中に男女が楽しみ戯れていると、一羽の雄鶏が鳴きだした。その家の女中は、鳥の言葉が分か