三陸鉄道は2011年3月11日の東日本大震災による津波被害から3年を経た2014年4月、5日に南リアス線盛ー釜石間、6日に北リアス線宮古ー久慈間の運行をすべて再開し全通した。その年は開業30周年でもあり、沿線は開業時さながらに沸いた。 そしてその年、間に挟まるJR山田線宮古ー釜石間の復旧について、鉄道として維持する地元の強い意向により、JRから三陸鉄道に移管することが決まった。結果、この区間が再開する2019年3月23日、三陸鉄道は南リアス線36.6kmと北リアス線71.0kmに55.4kmを加え、盛ー久慈間を通して全長163.0kmの「リアス線」となった。旧国鉄の特定地方交通線や、整備新幹線の並行在来線転換により誕生した第三セクター鉄道の中でも、圧倒的に長い距離を持つ路線である。 だが、それも束の間、7カ月後の10月12日、令和元年台風19号による被害で、盛ー釜石間と宮古ー田老間以外の全