トニー・ブレア氏は英国首相を退任した後、中東和平を仲介する米国、欧州連合(EU)、国連、ロシアの4者を代表する「中東特使」を務めている〔AFPBB News〕 トニー・ブレア氏ほど熱心に自身の名声を傷つける元政治指導者を思い浮かべるのは難しい。ジョージ・W・ブッシュ氏とともに行ったイラクでの危険な冒険がずっと影を落とすことは分かっていた。少数の人たちは、ブレア氏を「戦争犯罪人」として永遠に非難するだろう。 だが、歴史的記録にもっと暗い汚点を残すのは、ブレア氏が個人的な富を、ほとんど熱狂的なまでに一途に探し求める姿だ。 確かにドイツのゲアハルト・シュレーダー前首相は、ガスプロムに自らを売り込み、今はロシアのウラジーミル・プーチン大統領の疲れ知らずのチアリーダー役を担っている。フランスのニコラ・サルコジ前大統領は、エリゼ宮から追い出される前から、「華美なもの」に対する多少の思い入れを見せていた