沖縄の前方展開兵力の削減 現在沖縄には二万の海兵隊員が駐留している。この兵力は西太平洋地域に展開あるいは駐留する十万の米兵力の中核の一つである。クリントン政権は、台湾海峡、朝鮮半島での安全保障上の懸念ゆえに、この地域でのアメリカの軍事力が一定以下に低下しないように下限枠を設定する必要があると考えた。この観点からまとめられたのが、一九九五年版の国防総省報告である。冷戦後のアジア・太平洋地域における米戦略の定義を試みた、通称ナイ・リポートと呼ばれるこの報告書は、十万の前方展開兵力を維持することが、アメリカのコミットメントのシンボルになると結論した。しかし、あれから六年、この数字を見直してもよい状況にある。 入れ替わりはあるが、通常アメリカの海兵隊の半分が沖縄で数カ月間勤務している。実際、沖縄に配備されている海兵の兵力規模は、世界のその他の地域に展開している海兵兵力の合計を上回っている。世界