そんな時代もあったのか、と思って聞いてくれ 1995年3月に発売されたカシオ計算機「QV-10」は、またたく間にヒット商品となった。今では想像することさえ難しいが、「撮影して、写真をその場で液晶で見られる」ということに絶大な価値があったのだ。それまでのフィルムを使う写真は、現像後まで結果が分からないものであって、どうしてもその場で写真を見たい時はポラロイドカメラを使うしか方法が無かったからだ。 スイバル式の筐体、ピント固定、光学ファインダーやストロボを省くなど、光学系のカメラメーカーでは考えつかない設計で価格を抑え、「デジタルカメラ」の概念を世間に知らしめた記念碑的な機種である。当時、高額だったメモリーカードを別に買わなくても、内蔵2Mバイトのフラッシュメモリーで96枚も撮影できることも魅力だった。 そして翌1996年3月にマイナーチェンジされたのがこのQV-10Aだ。 本体色が変わった以