世界の金融史上にはデフレは何度もありました。その中で長かったことで有名なのは、19世紀後半の英国などで生じた、いわゆる「大不況(Great Depression)」です。この大不況は1873年から1896年まで、24年間続きました。 ではこの大不況の24年間が世界金融史上最長のデフレなのでしょうか。 この大不況の期間には英国では既に物価指数の記録が整備されており、英国商務省による卸売物価指数推移を見ることができます*1。図1にその期間の物価推移を示しました。 図1英国大不況時の卸売物価指数推移(1900年=100) 図2 英国大不況時の物価下落継続年数 英国大不況時には、24年間で物価は43%も下落した。 ただこの期間の物価下落は連続しておらず(図2のXが物価下落年)、 断続的に4回のデフレが生じている。 このグラフで見られるように、英国大不況時の物価下落は凄まじく1873年に152だっ