残さを原料、生産資材にも 地球に優しい「ごみ再利用」 「古紙以外にも」広がる可能性 「古紙だけではなく、十勝に豊富にある農業残さも合わせてバイオエタノール生産を実現したい」。研究グループ一員の青山文弥十勝毎日新聞社社員は強調する。 研究グループが特定した、セルロースを分解(糖化)する有望な菌株「トリコデルマ」と「フザリウム」を活用すれば、セルロース系原料である農業残さ(麦かんやジャガイモの皮、ビートトップなど)からもバイオエタノールを生産できる可能性が出てくる。 農業王国・十勝には農業残さが無尽蔵にあるといっていい。帯広開発建設部の調査では、管内の農業生産から出る残さは年間約200万トン。農水省の調べでも、農作物の非食用部は年に約1400万トン出て、約3割は堆肥(たいひ)や飼料、家畜敷料などに使われるが、約7割は未利用のままだ。こうした大量に眠る未利用資源を有効利用する