ブックマーク / finalvent.cocolog-nifty.com (138)

  • [書評] 戦後フランス思想(伊藤直): 極東ブログ

    私は66歳にもなって自分を大人気なく思う。書『戦後フランス思想』を読んで、ああ、こういう解説は簡素によくまとまっているけど、あの時代の日の空気が感じられないなあ、と思ってしまった。ということを書くのも、大人げないが、書はそんな郷愁をもたらした。と、いうのも、あまり正確ではない。後で触れるが、書は実はとても現代的でもある。 もう少し、大人げない話をしたい。書を読みながら、十代の自分が今も自分の中にいることに気がつく。アルベール・カミュは私の少年期そのものだったからだ。なんかもう自殺しようかなと思っていた中二の私は、確か、白井浩司の書いた、フランス哲学風人生論で、カミュを知った。曰く、『シーシポスの神話』を読みなさい、というのだった。読んだ。哲学の問題は今、自殺するかしないかだとする、書にも引かれているが、その基調は、中二の心を掴んだ。不条理(なんですかコレという笑っちゃうね状況)

  • 現代に蘇る『源氏物語』: 極東ブログ

    久しぶりのブログという感じになってしまい、近況というのもなんだが、今年のNHK大河ドラマ『光る君へ』を楽しく見ている。藤原道長と紫式部の若き日の秘められた恋といった、ラノベ(ライトノベル)のような展開も面白いが、そこここに『大鏡』や『小右記』などからの史実に『蜻蛉日記』をまぜたりするのも楽しい。これからは『御堂関白記』や『枕草子』もまぜていくだろうと期待が高まる。『源氏物語』を仄めかす趣向も楽しい。『光る君へ』というタイトル自体この趣きもある。今回の大河ドラマを好むのは私だけではなく、令和六年の『源氏物語』ブームといった印象も受ける。が、この『源氏物語』、一千年も昔の物語の反面、現代の反映もあることも興味深い。連想される一番大きな話題は、五年ほど前に発見された写である。この後続の話はなお興味深い。 発端は五年前、三河吉田藩主・大河内松平家の子孫の実家に源氏物語を書写した写があるとして、

  • ブログ再開?: 極東ブログ

    長い間ブログを休止していた。この間、大学院生であったという理由が大きい。25歳に最初の大学院を中退し、それから40年かけて大学院修士を終えたという感じだ。10年前の著書には、「もう諦めた」と書いたが、子供が4人成人したのをきっかけに修士に再挑戦した。というわけで2年間、放送大学で大学院生をやっていた。ようやく修論が終わり、取得単位もクリアしたので、今月末には卒業ということになる。 この間、修論研究にけっこう専念していた。コロナ禍もあってか、朝から深夜まで研究ばっかりしていたこともある。加えて、大学院の単位取得もそう容易いということでもなかった。40年前の大学院の単位も復活できるかとも思ったけど、手続きミスがあり、諦めた。結果からいうと、それでよかった。認可待ちしていると、大学院の単位の計算が不確定になっただろう。取得単位という点では、結局、学院を2つ出たような感じだが、あれだなあ、学問の風

  • 無意味な暗記と昔のこと: 極東ブログ

    この夏、64歳になった。父が62歳でなくなっていて、その姿を老いに思っていたのだから、それからさらに2年近くも生きている自分が奇妙な気もしないでもないが、親族には90歳近く生きる人もいるし、思えば父の父、私の祖父、そして曽祖父も長寿な人であって、父も長生きするつもりでいたのだろうと思う。 自分はというと早世すると信じていたので、長く生きたものだ。人生を振り返ってもいい時期には達しているせいか、そんなことを思うのだが、実際に思うのは存外に些細なことが多い。その一つが無意味な暗記である。なんとなく暗記しているが、それになんの意味があったんだろうかという奇妙な感じのするあれである。 具体例。私は般若心経を暗記している。260文字なので暗記しようと思えば暗記できるものではなかろうか。というのを16歳のころ思って暗記した。ついでに観音経の偈文も暗記したのだが、途中で飽きた。理由は簡単で、事実上無意味

  • 安倍首相の「断腸の思い」は私には伝わった: 極東ブログ

    私は、いちおう述べておけば、自民党支持でもないし、安倍晋三首相の支持者でもない。ただ、それでも、彼を擁護するかに聞こえる発言をしようものなら、それだけで批判されるという昨今のネットの空気も知っているが、これは、書いておこうかと思った。 北朝鮮の国家組織による犯罪行為として、1977年(昭和52年)11月15日に、袋詰と思われる非人道的な方法で拉致された13歳の女子中学生・横田めぐみさんの父、横田滋さんが5日老衰で亡くなった。無念であっただろうと思う。 これを受けて安倍首相は、記者団に対し、思いを述べたのをNHKニュースで私は見た。曰く、「総理大臣としていまだにめぐみさんの帰国が実現できていないことは断腸の思いであり、申し訳ない思いでいっぱいだ」と。涙は流していないが、詰まらせている声はいつも喋り下手ではなく、涙が出そうな感情をこらえているように見えた。もちろん、これは私の主観である。が、彼

  • 「すてき」は死語か?: 極東ブログ

    「すてき」という言葉を聞かなくなって久しい。自分も使わない。ためしに、「まあ、すてき」と口に出してみると、なんともいえない、もにょ〜んとした感じがする。これは、もう死語なんじゃないか。なぜ死んだのか。と考え、まあ、完全に死んだわけでもなく、この微妙な「もにょ〜ん」感に生きているのかもしれないが、それはたぶん、受け手の感覚で、そうした感覚なく自然に使っている人もいるだろう。 ニュースとかではどう使われているのかと、検索すると、おや? 日経新聞(2020/4/19 15:16)より。 金氏から「すてきな手紙」 米大統領、関係良好と強調 【ワシントン=共同】トランプ米大統領は18日の記者会見で、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長から「最近すてきな手紙を受け取った」と語り、良好な関係を維持していると強調した。内容や詳しい時期は明らかにしなかった。 この検索過程で聯合ニュース(2020.04.19 22

  • Googleが英単語の語源を図解表示してくれるようになっていた: 極東ブログ

    先日、NHK Eテレのボキャブライダーで「面接」を英語でなんて言うか?というネタがあり、「ああ、それなあ」と思ったのだった。答えは、interview で、番組では説明がなかったかと思うが、つまり、Job interview である。 日の「インタビュー」というと、ジャーナリストが要人と対談するみたいな意味合いが強いが、英語だともう少し広義、と、考えやすいが、Longmanなどを当たるとわかるように、「面接」の意味が最初で、ジャーナリストとかによるインタビューは、意味としては別項目になっている。 語源にあたっていくと、1540年に entreveuという語があり、これが「個人面談」の意味になっている。ジャーナリズム的な意味合いは、1869年とある (NED)。 entreveu は見てもわかるように、フランス語なのでフランス語語源を探るのだが、まず、フランス語辞典で interview

  • ラノベをkindleで読むことについて: 極東ブログ

    アニメをきっかけにラノベを読むことが多くなり、読み終えたラノベが貯まるということになってきた。それが何か? ということだが、これが私にとっては微妙に問題なのである。前提がある。基私は紙のが好きで、それと一度読んで終わりかなというは読み捨てることが多い。捨てても、そういうはたいてい公立図書館とかにあるので、気になったら行って該当箇所を見ればいい……それでこのエコロジーは完結していたはずなのだが、ラノベが微妙な辺獄にいる。読み捨てなのか微妙だし、公共図書館とかにはないことが多い(あるものもある、というか増えているのだが)。どうしたものか、というか、その問い以前に答えはわかっていた。電子書籍である。Kindleである、つまり。 ラノベはKindleで読む。それでいいじゃないかということだが、文明の発達は必ずしも予期した良い影響だけをもたらすものではない。とほほ。ラノベを読む量が増えてし

  • あなたの時間を吸い取る「果てしないプール」: 極東ブログ

    世の中がおかしなことになってきた気がする。というとき、おかしいのは自分のほうかもしれない、とも思う。が、とりあえず自分にとっては、世の中がおかしいという感じはする。 具体的には、2つ思う。1つは、新型コロナウイルス騒ぎである。感染症自体より経済的な波及や社会心理の側面が大きな問題になってしまった。もう1つは、ネットである。端的な例でいうと、Twitterが気持ち悪い。 とかいうと、おまゆう、の類だが、これもそう感じる自分がいる。これに関連していることだと自分では思うのだが、街なかで中年から初老スマホゾンビが増えたと思えることも、気持ち悪い。なんでこんな爺さんがスマホ見ながらぼんやり歩いているのだろう、危ないなあと。スマホ見るのはいいけど、立ち止まるか、座れよ。 この2つをあえて1つの問題意識にまとめる必要はないのだが、それらの根にあるのは、情報のありかたではないだろうか。スマホ経由で入って

  • 掛け算順序問題を考えたら意外な結論になった: 極東ブログ

    ネットでは定期的に「掛け算の正しい順序」という、まあ、へんてこな議論が話題になる。割り算には順序があるが、スカラーの乗算は順序を入れ替えても同じなので、小学校の算数とかで、掛け算の順序で正しいものがあるというのも奇っ怪な話ではあるが、ようは、掛け算の順序というより、文章題から掛け算でどう立式するのが正しいのかという話のようでもある。が、まあ、それにしても掛け算の正しい順序なんてないだろと思っていたのが、ふと、手元のレシートを見て、少し考えた。135円の和菓子を2つ買ったのである。私が誰とべたか、一人で二つべたかはここでは問題外とする。 これだが、文章題とすると、こうなるだろうか? 1個135円の和菓子を2つ買ったら、いくらですか? で、どう立式するだろうか。問題文順に、135 × 2 とするだろうか。掛け算に正しい順序があると言っている人は、これで満足するだろうか? で、このレシート見

  • 読書のために小旅行を: 極東ブログ

    年を取ったせいか、あるいは現代的なメデイアや情報の影響なのか、なかなか長時間集中してを読むということがなくなった。読書が減ったということはない。アマウント(量)としては読んでいる。だが、どうも情報として読んでいる気がする。小説なども、ラノベなのは10冊以上通して読んでいけるが、そういう読みやすい作品ではないとなると、難しい。つまり、『失われた時を求めて』をどう読むか?ということで、この2か月間、これを読むためにちょっとした小旅行をした。自宅から3時間くらいのところで、ビジネスホテルのような空調が効いて完全に一人でいられる密室にこもって読んだのである。読めるものだった。読書のために小旅行というのはけっこういいものだなと思った。 自宅の自室やリビングで落ち着いてが読めないというものでもないはずだが、現実的には難しい。なにが難しいかというと、気をそらすものが多いせいだろう。メデイアとか家族と

  • 漫画『宇崎ちゃんは遊びたい!』と日赤のコラボポスターについて: 極東ブログ

    赤十字社が献血PRとして作成した、漫画『宇崎ちゃんは遊びたい!』とコラボポスターがネットで話題というか、問題として議論を呼んでいた。ここでは、そうした議論を整理する意図はない。ただ、いちブロガーとして個人的見解を述べておこうと思う。 話題の発端は、次のTweetのようだ。該当ポスターが結果的にここに含まれている。 I admire the work the Red Cross does, which is why I’m disappointed that @JRCS_PR in Japan would run a campaign using the over-sexualized Uzaki-chan. There’s a time & a place for this stuff. This isn’t it. #women #metoo #kutoo pic.twitter.c

  • [書評] 絶滅の人類史 なぜ「私たち」が生き延びたのか: 極東ブログ

    人類史関連のを探していたら、アマゾンが『絶滅の人類史 なぜ「私たち」が生き延びたのか』を推してきた。まあ、一般向けのなら軽くて読みやすいだろうと、さほど期待せずに読んだら、これがまさに自分が読みたいだった。自分も知らなかった新しい知見が読みやすく書かれているので、いつの作品か見ると、2018年1月だった。内容的には2009年原書の、『そして最後にヒトが残った―ネアンデルタール人と私たちの50万年史』とかぶる感じもあったが。 表題からすると、「絶滅」が注目されるが、普通に、最先端の人類学を簡素にまとめたになっていた。自分の人類学の知識をリニューするいいきっかけにもなった。 一番、これはまいったなあと思ったのは、コンラート・ローレンツの攻撃についての考えがあっさりと否定されているところだった。ローレンツは私が中学生のときに大きな影響を受けた学者で人生観の基礎になっているのだが、うあ、否

  • サウジ石油施設攻撃について: 極東ブログ

    14日、サウジアラビア東部にあるサウジアラビア国営石油会社サウジアラムコの石油施設の2カ所がされた。この事態は日でもすぐに報道されたが、その後の経過や意味、解説について、週末と連休を挟んでいるせいか、国内の報道は薄い。NHKでも断片的であり、何より報道ソースをCNNやロイターに頼っている。他、大手新聞社の報道も薄い。共同もロイターを孫引きでしか伝えていない。この状態はすでに日の報道の危機とも言えるだろう。現状、日国内での実質的な報道は、海外報道社の日語版によるものか、あるいはヤフーブログで識者とされるブロガーのコメントが目立つくらいだ。が、ブログという建前からは通常のブログ同様、恣意的なものにならざるを得ない。私の記事もそうした恣意的なものではあるが、今後さらに懸念される事態にもなりうるので言及しておきたい。 一番の懸念は、端的に、戦争である。米国とサウジアラビアが組んでイランと戦

  • 最近、「あー、サイテー」と思った3つのこと: 極東ブログ

    最近、世の中のニュースで、「あー、サイテー」と思った3つのことがある。悲惨な事件ではないし、残酷といえる事件でもない。ただ、最初に、「あー、サイテー」と思ったのだった。 その感覚が自分自身にも少し奇妙な感覚でもあった。「こんなやつはサイテーだ」とそれらの事の関係者を責めたいというものでもない。なんだろうか。正義をがなり立てたいというのもない。ある湖を見て、「あー、きれー」というような、ちょっと爽快な感じに近い。まあ、3つを見ていこう。 1 昭和を感じさせるサイテーな愛媛県警の尋問 愛媛県警に誤認逮捕された女子大学生が8月1日、代理人弁護士を通じて手記を公開した。内容は、彼女が、今年1月、松山市内で発生したタクシー内の窃盗事件で誤認逮捕され、ひどい取り調べを受けたことだ。こんな感じだったという。 取調官は、私が「当の犯人を捕まえてください。こんなの何の解決にもならない。」と言えば、「犯人な

  • [書評] Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法: 極東ブログ

    もし、このブログの記事をいくつか読まれていて、まあ、このブロガーが強く推すがあれば買って読んでみようか、という人がいたら、これ。『Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法』。さらに推すと、騙されてもいいかなと思えるなら、ぜひ。 なぜ推すかというと、ああ、これ読んでよかった。もっと若い時に読んでいたらよかったと僕は強く思ったからだ。 来なら、どういうなのかという話をして、その話で推すというのが正しいありかたなのだが、そこがちょっと微妙ななのだ。 それでもまず、どういうなのか、というと、自己啓発書の類である。副題もそれっぽく、そしてサンマーク出版らしく「最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法」としている。が、実際のこのは、それほどでもない。また、人生が上向きになる「思考の道具箱」とかいう売り文句もあるが、それも間違いでは

  • 「俺の嫁」を描かせてみた: 極東ブログ

    7月にロサンゼルスで開催された「Anime Expo 2019」で「Waifu Vending Machine」が話題だった。人工知能が、利用者の好みに合わせて「俺の嫁」を描いてくれるシステムである。言うまでもないが、「俺の嫁」というのは、Wikipediaを借りれば、「主に男性が理想的な女性(架空のキャラクターを含む)に対して発する言葉」である。昭和言葉で言えば、タイプのアニメヒロインである。いやほんと、「タイプ」っていう言葉、こういうふうに使うと昭和言葉か。 これがネットで使えるというので、残念なアニオタである私は、「俺の嫁」を描かせみた。使い方は、とりあえず単純で、4段階、①16種類から「最初の好み」、②「色の傾向」、③「細部」、④「ポーズ」を選ぶだけ。一分もあれば、「俺の嫁」の完成である。 というわけでやってみた。というか、実際のところ、私はどんな「俺の嫁」が好きなんだろうという自

  • [書評] なぜ、男子は突然、草食化したのか――統計データが解き明かす日本の変化: 極東ブログ

    書のタイトル『なぜ、男子は突然、草化したのか』というのは、気になる問いかけだ。草化というのは、恋愛に淡白ということである。異性と付き合うために一生懸命活動するということの反対。つまり、異性の肉体を求めているという比喩での肉の対比である、はずだ……。 たしかに、私のような昭和の人間からすると、近年、男子が女子を口説き落とそうと必死になるというのはなくなったものだなと思う。この問いは、私の実感としてある。そこで、なぜだろうと思う。私の印象で言うなら、いやいや、今日はその話は控えておくとしてだ、それをタイトルにもってくる書はどう答えているのか。しかも、その答えは、印象といったものではなく、副題にあるように「統計データが解き明かす日の変化」である。統計、つまり、ファクトは何を語っているのか? 著者は、自身を「統計探偵」とする。統計から、各種の謎解きをする探偵になるというのだ。実際、著者

  • 8000万円の都心のマンションと4000万円の郊外の家: 極東ブログ

    ツイッターを見ていたら、8000万円の都心のマンションと4000万円の郊外の家という話があった。これらを買った人がいるとする。10年後、どうなっているか。4000万円の家の価格は半額に落ちている。2000万円だ。他方、8000万円の都心のマンションのほうは、7000万円。10年後の時点で、どっちがお得か? 8000万円の都心のマンションのほうだ。と、いうのである。 詳細は違うかもしれないが、ざっくり見ればそういうものだろう。実際、そういうことで、都心のマンションが売れている、と言っていいだろう。 そんな傾向が今後も続くのだろうか? 未来はわからないものだという大前提は扱いにくいのでとりあえず置くとする。たぶん、少子高齢化していく日では都心集中が続くから、都心マンションの価格はそう崩れないのではないか。 さて。これで話は終わりかというと、まあ、終わりでもいい。 実際に、じゃあ、8000万円

  • 日韓の軋轢で、韓国はどうすればよいのか?: 極東ブログ

    日韓の軋轢で、韓国はどうすればよいのか? 残念ながら、私には、なんのアイデアもない。 理由は簡単で、日リベラルな知的空気では、日韓の軋轢については、過去の経緯を見てもそうだが、日が無限に譲歩すべきであって、韓国側がどうすべきかということは問えない、と感じているからだ。 そして、私はその知的空気に抗う意見があるわけでもない。メリットも気力もない。しかたないなあと思うくらいだが、さて、この問題を国際的な視点から見ると、どうなるのだろうか。そんな関心で、つらつら、英米圏のメディアを見ていて、ふと、こういう考えは、日の知的空気のなかでは、なかなか出せないかなと思う意見があった。Diplomat誌に掲載された”What's Driving Japan's Trade Restrictions on South Korea?”というコラムである。執筆者は、MIT政治学でPh.D課程にあるMi