ブックマーク / hiroyukikojima.hatenablog.com (42)

  • ドラマ総集編のようなすばらしい現代数論の入門書 - hiroyukikojima’s blog

    今回エントリーするのは、山芳彦『数論入門』岩波書店だ。このは以前にも、このエントリーで紹介しているが、今回は違う観点から推薦したいと思う。 数論入門 (現代数学への入門) 作者:山 芳彦 岩波書店 Amazon ゆえあって、最近またこのを読み始めたのだが、面白くて遂にほぼ全部読んでもうた。そして全体を読破すると、このがもくろんでいること、このの特質がひしひしつと伝わってきた。ひとくちに言えば、このは、「ドラマの優れた総集編を観るようなすばらしい内容」ということなのだ。 ドラマの総集編って、全12話を4話ぐらいでかいつまむ。もちろん、圧縮しているので、カットされたエピソードもあるし、ナレーションで進めちゃう場面もあるし、スルーされるキャラもある。でも、優れた総集編では、編より質が浮き彫りになり、面白さが倍増になることも多い。このは、数論の総集編として、そのメリットがみごと

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  • 弱いゴールドバッハ予想が解決されていたらしい - hiroyukikojima’s blog

    素数のを出した。『世界は素数でできている』角川新書というだ。そのの販促は、前回(素数についてのが刊行されました! - hiroyukikojimaの日記)と前々回(もうすぐ、素数についてのが刊行されます! - hiroyukikojimaの日記)に行った。今回も、基的には販促活動なのだけど(しつこい、って怒らんといて)、読者に新しい情報を提供しよう。 素数に関する予想で有名なものの一つに「ゴールドバッハ予想」というのがある。それは「4以上のすべての偶数は、素数2個の和である」という予想だ。これは、実は、ゴールドバッハが予想したものではない。ゴールドバッハは、「6以上のすべての整数は、3個の素数の和である」と予想して、それを1742年にオイラーに送った。オイラーは、返事に、これと同値な予想「4以上のすべての偶数は、素数2個の和である」を返したので、当はオイラー予想と呼ばれるべき

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  • みんな、こういう理系の大学教員のこと、どう思う? - hiroyukikojima’s blog

    [追記:8/21] いつになく話題になったようなので、少し補足する。ぼくのからの引用で、前回は省略した部分を、書き加える。どのくらい親切に書いているかを知ってもらえば、こやつの「信じられなさ」が浮き立つと思う。(それに拙著の販促にもなると思うし)。 あと、ぼくが最も問題にしているのは、このメール文からわかるように、この教員が、自分がわからないことを理解する努力を怠ること。こういう人は入試の採点で、きっと、大変なことをやらかす。2次試験の記述問題は、通常、2人以上で行うと思うけど、もう一人の採点者が読み間違えた採点をこの教員はそのままスルーする可能性が高い(理解できないことを、掘り下げる努力を怠るから)。 今日、とある大学教員から、拙著『世界は素数でできている』角川新書に対して、質問とも批判ともつかないメールがきた。 もちろん、知らない人だし、面識もない。 この人、国立大学の教員のようだ。

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  • 経済学者がこぞって読むべき物理の本 - hiroyukikojima’s blog

    今回は、久々に物理学のの紹介をしようと思う。紹介するのは、田崎晴明『統計力学I』培風館だ。このの元となる原稿は、かなり前に入手していた。ぼくが、田崎さんにぼくの経済学の教科書を献したら、田崎さんが、お礼に(しかえしに)TeXで作った原稿を製した分厚い冊子をプレゼントして下さった(送りつけてきた)のである。そのときは、ざっと斜め見しただけだったのだけど、今年に入って、(前半だけ)真面目に読んでみたのだ。 統計力学(1) (新物理学シリーズ) [ 田崎晴明 ] ジャンル: ・雑誌・コミック > 科学・医学・技術 > 物理学ショップ: 楽天ブックス価格: 3,672円なぜ今頃読んだか、というと、それは経済学的なモチベーションからなのだ。 経済学では、「ミクロとマクロがいったいどうつながっているのか」というのは、いまだに解決されていない難題であり、突破口を見つけなければならない課題である

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  • 10を聞いても1しかわからない人のためのゼータ関数入門 - hiroyukikojima’s blog

    8月がこんなに忙しい年は初めてで、今まで、全くブログを更新する余裕がなかった。 今回は、更新できない間に、ちょこまか読んだ数学書、小山信也『素数とゼータ関数』共立出版の紹介をしよう。 【送料無料】 素数とゼータ関数 共立講座 数学の輝き / 小山信也 【全集・双書】 ジャンル: ・雑誌・コミック > 科学・医学・技術 > 数学ショップ: HMV&BOOKS online 1号店価格: 4,320円ぼくが、中学生のための受験雑誌『高校への数学』東京出版で素数についての連載をしていることは、何度か書いた。その参考のために、書を読むことにしたのだ。しかし、単なる参考を超えて、このはとてもすばらしいであった。 何がすばらしいか、と言えば、書はゼータ関数のことを、当に丁寧に、至れり尽くせりで解説していることである。 数学書の多くは、「1を聞いて10を知る」人に向けてかかれている。極力、最

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  • P≠NP問題がざっくり理解できる本 - hiroyukikojima’s blog

    * 追記(6月27日) 最後の紹介した「約数ゲーム」について、メールで解答を教えてくれた人がいたので、最後に追加しました。 最近、野崎昭弘『「P≠NP」問題』ブルーバックスを読んだので、レビューをエントリーしようと思う。 そもそも、このを読もうと思ったのは、ある雑誌の企画で「数学の未解決問題」について、ある数学者と討論をすることになっていたのがきっかけだった。ミレニアム問題のいくつかが話題にのぼりそうなので、P≠NP問題についても少し知識を補充しておこうと思ったのだ。 でも、アマゾンのレビューで酷評されているのを読んで、いくぶん躊躇した。それで、少し時間が空いたけど、屋で立ち読みしてみて、その場で購入した。少なくともぼくには、アマゾンのレビューはミス・ディレクションにすぎないものだとわかった。買って帰って、速攻で読了したが、ぼくの要求にかなったであった。アマゾンのレビュー欄は、まあ、

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  • 数学は遠きにありて想うもの - hiroyukikojima’s blog

    実は、また、数学者たちと鼎談をすることになり、そのお題のために、リーマン面・層・コホモロジー群・スキームの勉強を再開した。 リーマン面というのは、ごく小さい部分だけを局所的に見ると「複素平面」と同一視できるような空間のこと。逆に言うと、複素平面の原点付近の円をたくさん貼り合わせて作り出せる空間のことだ。例えば、リーマン球面は、二枚の円をお椀のように丸めて反対向きにはめ込んで球形にしたリーマン面の一種である。ドーナツ型(トーラス)も円を湿布薬のようにぺたぺたと貼っていけば作れるからリーマン面だ。 リーマン面・コホモロジー群は、小木曽啓示『代数曲線論』朝倉書店で勉強している。このは以前にも、続・続・堀川先生とキングクリムゾンの頃 - hiroyukikojimaの日記のエントリーで紹介したが、もう一度最初から読み直した。ちなみにこのは、「代数曲線」と題するより、「リーマン面」と題するべき

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  • 素数の個数が、自然対数(log)で表せるのはなぜか - hiroyukikojima’s blog

    今回も、前回に引き続いて、素数のことについて書こうと思う(前回のエントリーは、また、最大の素数が更新された! - hiroyukikojimaの日記)。 最近、素数に興味を持っているのには、二つの理由がある。 第一は、受験雑誌『高校への数学』東京出版に、新年度の4月号からの連載で、素数について書こうと思っていること。実はこの雑誌での連載は、今年で30年になる。ちょうど区切りの年となるので、ぼくの中学生の頃の初心に戻って、素数について語ってみようと思っている次第。 第二の理由は、今月刊行される『現代思想増刊 リーマン特集』青土社のための鼎談を年末に行ったこと(リーマンについての鼎談と、NHKの番組でのイギリス数学者の発言のこと - hiroyukikojimaの日記参照)。そこで、黒川信重先生からリーマン予想についてのお話を伺って、がぜん、素数についての興味がかき立てられたのだ。 素数の話を

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  • ベイズ統計は、うさん臭いからこそ、役に立つ - hiroyukikojima’s blog

    *追記(11月27日)ダイヤモンド社のHP「ダイヤモンド社 書籍オンライン」に、ぼくの短期連載「完全独習 ベイズ統計学入門」の3回目が掲載された。次のリンク。迷惑メールフィルターはベイズ統計学を使ってゴミメールを判別している | 完全独習ベイズ統計学入門 | ダイヤモンド・オンライン *追記(11月25日)ダイヤモンド社のHP「ダイヤモンド社 書籍オンライン」に、ぼくの短期連載「完全独習 ベイズ統計学入門」の2回目が掲載された。次のリンク。アメリカを二分した「モンティ・ホール問題」をベイズ統計学で推定する | 完全独習ベイズ統計学入門 | ダイヤモンド・オンライン *追記(11月20日) アマゾンには入荷された。ちなみに、ダイヤモンド社のHP「ダイヤモンド社 書籍オンライン」に、ぼくの短期連載「完全独習 ベイズ統計学入門」の掲載が始まった。次のリンクだ。ガン検査が「陽性」でも気に病む必要は

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  • 確率は観測可能なのか? - hiroyukikojima’s blog

    ぼくの新著『確率を攻略する ギャンブルから未来を決める最新理論まで』ブルーバックスが、そろそろ店頭に並んでいる頃なので、販促の追い打ちをかけておこう。 「まえがき」については、前回(来週に新著が出ます! 確率のです! - hiroyukikojimaの日記)に晒したし、それは『現代ビジネス』(数学者もギャンブラーも投資家も超夢中 世界は確率で動いている!(小島 寛之) | ブルーバックス | 講談社)にも掲載されたので、今回は、もうちょっと、このに込めたぼくの「個人的想い」のようなものを綴ってみようと想う。 確率を攻略する ギャンブルから未来を決める最新理論まで (ブルーバックス) 作者: 小島寛之出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/07/17メディア: 新書この商品を含むブログ (6件) を見るこのでぼくが問題提起したかったのは、「確率は観測可能なのか?」ということ、もっ

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  • 数学を教える人が読んでおきたい論理の本 - hiroyukikojima’s blog

    ぼくは、以前から、論理とゲーム理論とをクロスオーバーさせたを書きたい、というテーマを持っており、それは拙著『数学的推論が世界を変える〜金融・ゲーム・コンピューター』NHKブックスで果たすことができた。 このを書くために、今まで、けっこうな冊数の数理論理学の教科書を読んできた。その中でめぐりあったのが、ゲンツェンの自然演繹と呼ばれる推論規則のセットであった。推論規則というのは、数学の証明で用いられる推論をできるだけ少ない数でセットにしたもので、おおわくではヒルベルトの体系、ゲンツェンのシークエント計算、ゲンツェンの自然演繹、というのがあって、それぞれの演繹能力は同じだけど、体系自体は異なるので、何をしたいかによって有利不利(向き不向き)がある。この3つの中で、普通の数学の証明で利用されている推論の方法は自然演繹が最も近いものである。 ぼくは自然演繹の体系を、鹿島亮『数理論理学』朝倉書店で

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  • イケメンたちが書いたイケメンな経済数学 - hiroyukikojima’s blog

    先日、知り合いの数学者(大学の数学の先生)から「学生に経済数学を勉強してもらうのに、一緒に教科書を読もうと思うのだが、お勧めのはないか」という質問を受けた。もちろん、ぼくが書いていれば、一も二もなくそれを勧めるのだけれど、笑、残念ながらまだ経済数学は書いていない。それどころか、ぼくが書いたいくつかの経済学は、意識的に(確信犯的に)数式をほとんど使わないで書いている。というわけで、何をお勧めするか思案した。それで思いついたのが、尾山大輔・安田洋祐・編『経済学に出る数学』日評論社であった。刊行された頃に一度ざっと目を通して、「こりゃいいな」と思ったんだけど、そのまま放置していた。今回は人に勧めることもあって、少しまじめに読んでみた。 改訂版 経済学で出る数学: 高校数学からきちんと攻める 作者: 尾山大輔,安田洋祐出版社/メーカー: 日評論社発売日: 2013/03/19メディア

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  • 理系の高校生に読んでほしい社会的選択理論 - hiroyukikojima’s blog

    今回は、坂井豊貴『社会的選択理論への招待』日評論社を紹介しようと思う。このは、刊行直後に手にしたのだが、じっくり腰を据えて読みたい、と思うあまり、今まで一年もの時間が経過してしまった。しかも、とても忙しいときに限って、逃避行動としての読書をしたくなるものであり、この時期に書を読んだのは、正直、逃避行動である。であるから、かなり雑な読み方をしており、したがって、雑な書評になることを事前に言い訳しておきたい。ちなみに、著者の坂井さんについては、このブログで以前に、メカニズムデザインってだいじだと思う。 - hiroyukikojimaの日記などで紹介している。 社会的選択理論への招待 : 投票と多数決の科学 作者: 坂井豊貴出版社/メーカー: 日評論社発売日: 2013/11/22メディア: 単行この商品を含むブログ (7件) を見るお世辞抜きに言って、書は、妬ましくなるほどに、み

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  • ドラマ「相棒」シーズン12の第2話「殺人の定理」 - hiroyukikojima’s blog

    昨日、ぼくが数学監修をしたドラマ「相棒」が、無事放映された。 シーズン12の第2話「殺人の定理」だ。 ぼくは、リアルタイムで、超ハラハラしながら、鑑賞した。だって、ぼくが関与した部分の映像に不備があって、視聴者から批判を受けたり、ツッコミをアップされたりしたら、そりゃ大変だもん。これほど真剣にテレビドラマを観たのは初めてだった。一回観た範囲内では、不備はなかったように思う。 放映が終わったあと、即座にツィッターで検索したら、何百というツィートが続々と上がるのに感激した。こんなにもたくさんの人が観て、こんなにたくさんの人が感想を呟いているものか、と驚嘆した。 改めて、「相棒」というドラマの底力を思い知らされた。 それと同時に、ツィートの中にたくさんの「数学ファン」の声をみつけてうれしくなった。それらは、実際の数学をどちらかと言えば苦手としながら、遠い憧れや萌えを抱いている人々の感動の言葉だっ

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  • 数学とは何か - hiroyukikojima’s blog

    昨年暮れに衝撃を受けたのは、YUI完結のニュースだった。ほとんどYUI音楽しか聴かない生活になっていたので、「おりゃ、いったい今後、何を聴いて暮らせばいいだべさ」と真っ暗な気分になった。まあ、YUIは、新年早々から単独の音楽活動を再開しているそうで、ぼくらの前に再登場するのもそんなに遠いことじゃないのかもしれないが。。。 しか〜し、である! 捨てる神あれば拾う神あり。新年から、実は、別のミュージシャンにはまってしまっている。しかも、男性ミュージシャン。しかも、V系。どうしたんだオレ、って感じだ。 それは、雅-Miyavi-っていう人。知ったきっかけは、暮れのFNS音楽祭。YUIを観ようと流し観してて、ぶっとんでしまった。和田アキ子のバックを弾いてたMiyaviのギターにあまりにびっくりして、それからyoutubeで彼のプレーをいろいろ観てみた。そして、衝撃を受けた。どうして今まで、こんな

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  • リーマン予想から深リーマン予想へ! - hiroyukikojima’s blog

    ぼくにとっての今年最大の衝撃は、「YUI完結」、になってしまったと思う。もちろん、彼女が来年、どのような形で音楽活動を再開するのか(あるいは、しないのか)にもよるけど、YUI以外の音楽を身体が受け付けなくなって、YUI音楽だけをエネルギー源として生きてきたぼくは路頭に迷う可能性が大だ。頼むから、一部で報道されているような「事務所への不満」が原因で、それを振り切った形でよりパワフルな音楽活動を繰り広げてくれれば、と願ってやまない。 最近出たベスト盤2枚は、もちろん買った。すべての曲を持っているので、自分でituneで編集すれば同じものが作れてしまうのだが、迷いもなく購入した。それは、おまけの写真集が欲しいからだ。あたりまえだ。そして、あまりにすばらしい写真集だった。これだけに3300円を支払う価値がある。写真集だけがこの価格で販売されても購入しただろう。昔問題になった「おまけが欲しいから、

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  • 新著『数学的推論が世界を変える〜金融・ゲーム・コンピューター』が出ました! - hiroyukikojima’s blog

    前回(新著の目次+様相論理のお勧め - hiroyukikojimaの日記)に目次を紹介した、ぼくの新著、『数学的推論が世界を変える〜金融・ゲーム・コンピューター』NHK出版新書が、アマゾンにも入荷し、そろそろ書店にも並ぶと思うので、満を持して紹介したいと思う。 数学的推論が世界を変える 金融・ゲーム・コンピューター (NHK出版新書) 作者: 小島寛之出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2012/12/10メディア: 新書購入: 48人 クリック: 1,233回この商品を含むブログ (26件) を見るいやあ、このの見刷りが先週、編集者から届いたときは驚いた。だって、帯のキャッチコピーが「数学はカネになる!」なんだもん。 ぼくのの場合には、タイトルとかサブタイトルは編集者に任せるけど、決定の際にはぼくの意見も一応述べられるようになっている。でも、帯は、基的に編集者の領分であり

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  • 数学って「思想」なんだよな - hiroyukikojima’s blog

    最近、代数幾何を勉強し始めた。来年出す新書の準備の一環としての勉強だ。 代数幾何というのは、多変数の多項式の解(零点)の点集合(放物線とか、円とか、球などの空間図形はその一種)の性質を分析する分野のことだ。高校で教わる「代数・幾何」を化け物のようにしたような分野だと思えばいい。(間に「・」があるかないかで雲泥の差なのだ)。 実は、ぼくは昔、数学科に在籍したときは、代数幾何が専攻だった。数論を専攻したかったのだけど、成績が悪くて希望のゼミに入れなくて、同級生の「数論をやるなら代数幾何は勉強しておいたほうがいいよ」という一言で、代数幾何のゼミに入れてもらうことにしたのだ。でも、そのゼミでは、代数幾何をほとんど勉強しないまま終わった。ゼミのときは毎週、準備してきたことが10分で先生に撃墜されて、残りの時間はずっとお説教をされていたからだ。(読者に優しい数学書を書く技術 - hiroyukikoj

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  • 人目を忍んでエントロピーを理解したい人へ - hiroyukikojima’s blog

    はろー、ぼんじゅーるクマ。というわけで、宇多田ヒカルに急性感染症だい。 宇多田さんの音楽には、ずっと距離をとってきた。「落とされない」ようにしていた。デビューしたての頃、AutomaticのPVを見て、これは大変なことになった、と正直思った。こんな若くてぴちぴちの才能が現れたら、とんでもないことになると確信した。だから、「落ちたく」なかった。彼女を支えるのは、彼女の世代であるべきだし、ぼくら中年は突っ張ってはじき返すべきだと意地になった。幸い、土俵際での踏ん張りが効いて、押し出されてしまうことはなかった。しかし、いなされて、土俵の反対側につんのめりながら突進して、倉木麻衣のほうに落っこちてしまったから情けなかった。 いや、予兆はあった。確かにあった。恋というものが、気づいたときは落ちているものなように、宇多田さんの曲が心に刺さっていた。それは、Flavor of Lifeという曲だ。これは

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  • 読者に優しい数学書を書く技術 - hiroyukikojima’s blog

    ここ数日、堀川 穎二『複素関数論の要諦』日評論社を読みふけっている。そして、めちゃくちゃ感動している。数学書でこんなに興奮するのは久々のことだ。 複素関数論の要諦 作者: 堀川穎二出版社/メーカー: 日評論社発売日: 2003/03メディア: 単行購入: 34人 クリック: 1,278回この商品を含むブログ (2件) を見るこのを取り寄せたのは、複素積分を新書で解説する、という無謀な計画をぼくが抱いているからだ。その準備となる原稿を書いているのだけど、複素積分に関するコーシーの定理の証明方針に迷っていて、それでいろいろな複素関数論のをひもといてるってわけ。 書は、堀川先生が東大数学科進学の決まった2年生に行った講義を忠実に収録している。その忠実さったらすごくて、演習問題も、期末テストも、それについてのコメントも、成績の分布も、成績評価基準も、追試の点数と人数も、学生から採った

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