平成16年6月に長崎県佐世保市の小学6年の女児が同級生の女児に殺害された事件から10年を迎えたが、子供同士の痛ましい事件が再び繰り返されたことに、地元や教育関係者らは「これまでの教育が間違っていたのか」などと動揺が走った。 「どうして同じようなことが起きてしまったのか。あの事件の教訓が生かされなかったのか。遅きに失してしまったが、もう一度子供たちに向き合い、立て直さなくてはいけない」 小6女児殺害事件が起きた佐世保市大久保地区の連合町内会長の武冨龍二さん(89)はこう話した。武冨さんによると、事件から10年を迎えた先月1日には、事件現場の大久保小で「いのちを見つめる集会」が開かれ、住民ら約300人が集まり、亡くなった女児=当時(12)=の冥福を祈り黙●(=示へんに寿の旧字体)したという。 佐世保市は事件の翌年から、6月を「いのちを見つめる強調月間」とし、毎年、各小学校で命の尊さを学ぶ講演会