京大総長が語る「2050年に求められるエリートの姿」 30年後の「エリート」とは、どんな人物なのか。未来をリードする人材のあるべき姿を追究する「就プロ」オリジナル連載、今回はゴリラ研究の世界的権威にして京都大学総長の山極壽一(やまぎわ・じゅいち)先生です。山極先生の語る、これからのエリートに求められる条件。ぜひ参考にしてみてください。 ディベートではなくダイアローグ ―学問の世界でエリートといえば、相手を論破する人というイメージです。 山極:それはまったくの誤解ですね。少なくとも京都大学では、ディベートで相手を打ち負かすだけの人物をエリートなどとは呼びません。エリートに求められるのは、ディベートではなくダイアローグ、すなわち対話です。 対話とは意見の異なる相手と話をし、お互いに一つ上のレイヤーで新たな考えに到達するための手法です。そのためには、まず相手の考えを受け入れ、かといって安易に迎合