"IT Doesn't Matter"、日本語訳すると「IT(情報技術)は重要ではない」というタイトルの論文を、米国の著名な技術評論家であるニコラス・カーが、米『ハーバード・ビジネス・レビュー』に発表したのは2003年のことだ。「It doesn't matter」、つまり「大したことじゃないよ」という慣用句にかけたもので、IT(情報技術)はコモディティ化し、競争優位を作り出すものではなくなってきている、という趣旨だったと記憶している。 当時、この論文の内容を巡って、IT業界で様々な反応があった。この指摘には正しい点もあると個人的には考える。 だが筆者はあえて「IT Does Matter !」、ITは大問題だ、と書きたい。ITはイノベーションを起こす可能性があり、今もコモディティ化していないという意味とは違う。日常化したITを使いこなせず、むしろ企業競争力を下げるケースすらある、経営がか