平成もあと1週間で終わりなので、この30年に私が書評した本のベスト10を選んでみた。 タレブ『ブラック・スワン』 ウィルソン『人類はどこから来て、どこへ行くのか』 フクヤマ『政治の起源』 ネグリ&ハート『<帝国>』 ノース&ウォリス&ワインガスト『暴力と社会秩序』 篠田英朗『集団的自衛権の思想史』 ポメランツ『グローバル経済の誕生』 白川方明『中央銀行』 デリダ『マルクスの亡霊たち』 ミルグロム&ロバーツ『組織の経済学』 平成の始まったころ社会主義が崩壊し、冷戦が終わった。そのとき自由と民主主が勝利したという「歴史の終わり」を宣告したフクヤマが、その後の世界を見て考えを改めたのが3である。その続編『政治の衰退』ではデモクラシーの未来について暗い見通しが立てられているが、2010年代に世界各国で勃興したポピュリズムはそれを例証した。 同じころ日本の不動産バブルが崩壊し、世界のスーパースターだ