東京電力が福島第1原発事故をめぐる地下水の汚染防止のための遮蔽(しゃへい)壁(地下ダム)の設置に関し、設置費用が1000億円レベルになるとの見通しを立てながら、公表しない意向を政府に伝えていたことが分かった。政府と東電の費用負担が明確でない中、東電が費用計上すれば債務超過に陥りかねないことを懸念したためだ。抜本的な汚染水対策の先送りとの批判の声も出てきそうだ。 東電が政府側に渡した文書は13日付で、遮蔽壁の基本仕様などが図面を添付して説明されている。「『地下バウンダリ』プレスについて」という遮蔽壁の記者発表に関する文書もあり、発表に臨む際の東電の対処方針が5項目にまとめられている。記者との主な想定問答もあり、14日を発表予定日としていた。 記者発表の文書によると、東電は、以前から地下水汚染の防止策を検討しており、「最も有力な対策」と指摘。「今後の設計次第では1000億円レベルとなる可能性も